旅のしおり:道央

記載の時刻等は訪問時のダイヤです。

1日目

羽田 0900 (JAL507) >> 新千歳 1030

新千歳空港 1106 (エアポート111) >> 小樽 1222

ルタオ

リタバー
伊勢鮨
Bar HATTA
BOTA

宿泊:ホテルノルド

1日目Tips
・寒いだけで雪の少ない11月の北海道は、まだスキーには早いせいか、直前にも関わらず土曜午前の羽田発・日曜夜の新千歳発でも特典航空券が取れた。
・リタバーで集合して、ニッカ水割りからスタート。スーパーニッカが意外に美味い。そしてBar HATTAとBOTAで昔のニッカを数杯ずつ。

2日目

小樽駅前 0900 (路線バス) >> 余市駅前十字街 0935

余市蒸溜所

余市 1231 (JR) >> 小樽 1255
小樽1319 (JR) >> 苗穂 1409

サッポロビール園

酒肴四季彩

札幌 1924 (エアポート194) >> 新千歳空港 2003

新千歳 2105 (JAL528) >> 羽田 2245

2日目Tips
・札幌市電に乗って、土曜日のバーテンダーが常連客から聞いてきた「酒肴四季彩」に行ってみた。おいしい地元の居酒屋といった風情の人気店。あまり聞いた事のない魚が多いので面白い。

おたるのおもいで

しばしば友人から笑われるが、僕は数軒の限られた飲食店で人生を完結できるようにしている。失敗したくないというのもあるが、むしろ快適に過ごせる場所が欲しい。店に迷惑をかけるつもりはないが、好き嫌いが多いので若干の食材調整をして欲しいとか、酒の銘柄指定が面倒だから任せたいとか、習慣化して場数をこなすことで、かゆい所の手が届いて欲しい。

バーに関しては「平日 (木曜)」「金曜」「土曜」と、ほぼ曜日まで固定で毎週3軒のバーをグルグルと廻っている。土曜日に行くバーのバーテンダー (仮称:土曜のバーテンダー) が余市蒸溜所に行くので、昨年11月に1回だけ土曜日を臨時休業するとの事である。

曜日固定と言っても、何かの縛りがあるわけではないので、たとえば金曜と土曜に行くバーを入れ替えることは可能である。と思う。

しかし人間とは習慣の生き物である。問題に対して理論的に何かできるからと言って、実際の行動が伴わない場合もある。最たるものが、朝食を食べた方が健康面で良いと分かっているのに、わずか十数分でも早く起きられない事だろう。根本にある問題をシリアスに捉えていないので、習慣に流されてしまうのかもしれない。

同様に、土曜のバーへ金曜に行くのは難しい。金曜の方が土曜よりも電車が混んでいるとか、土曜には知っている客が来ている可能性があるとか、その程度の理由でしかないのだけれど。行動に移せば容易な事でも、習慣に縛られ、ついつい踏み出せない。

それでも臨時休業は臨時休業である。店に行っても営業していないので、もはや習慣の奴隷になっているとは言え、僕自身が何とかするしかない。

そんな折、土曜のバーテンダーに小樽の飲食店を知っているか聞かれた。僕も数年前に余市蒸留所へ行っており、その時に行った寿司屋が気に入っていた。

そこから先は、ありがちな酒場の話だった。航空券やホテル手配などの話をしているうち、ついつい酔った勢いで、僕も小樽に行って途中から合流する話になっていた。

そんな旅行計画は実現しないのが世間相場である。理論的に何かできるからと言って、実際の行動が伴わない典型例だろう。

それでも僕は旅行をシリアスに捉えることにしている。たまたま羽田〜新千歳往復の特典航空券に空席があっただけなのだが。出ていく現金がホテル代1泊であれば、そこまでシリアスにならなくても、シリアスに捉えられる。と思う。

小樽には良いバーが数軒あるとかで、可能であれば3軒まわる予定にした。寿司屋でも酒を飲むので、合計4軒である。アルコール分解能力が落ち気味のオッサンとしては、理論的には可能だが、極めて野心的な計画だ。

寿司屋に行く前の食前酒を兼ねて、夕方に1軒目のバーで待ち合わせた。それまでは自由行動なので、土曜の昼までに小樽に着き、ルタオでチーズケーキでも食べよう。天気が良ければ、運河を見たり、小樽港を散策したい。

そんな軽い考えで小樽に向かったのだが、11月の北海道は冬だった。しかも今シーズン初の寒気とのことで、初雪が舞っていた。気温は到着時2度、しかも風速6メートルなので、体感ではマイナスのはずである。その数日前の関東は、44年ぶりに11月の夏日だったのだが。

それでも予想外の寒さに挫ける事はなかった。ルタオでランチとケーキを食べ、凍えながらも運河と小樽港を散策し、しかも夜は予定通り4軒で飲酒という破竹の勢いで小樽を満喫できた。

他の事はともかく、僕は旅行をシリアスに捉えることができる。そこに飲酒が加われば鉄壁である。やはり理論的に何かができるからと言っても、実際の行動が伴うか否かは、根本にある問題に対する認識によるのだ。やればできる (にもかかわらず、好きなことしかやらない) タイプの人間である。

そういえば小学生の時も似たようなことを言われていたが、自分自身の根底にある問題に対する認識によって、40年たっても変わっていなかった。

らおすのおもいで

今年はGWにベトナムへ行った。毎月のように東南アジアへ行っていた生活は昨年で終わったが、やっぱり旅に出るのは楽しいし、ワクワクする。

同じワクワクを味わいたくて、夏も旅に出ることにした。ベトナムでは暑さで四苦八苦したが、それでも晴れている方が良いのだろう。アジアで乾期の場所を探してみたところ、インドネシアだった。旅行先としては食わず嫌いな印象だが、それも解消されつつある。と思う。それでもオッサン一人でバリ島に行くのは気が引けた。

インドネシアで別の島を探したところ、ジャワ島のジョグジャカルタに雄大な遺跡があった。遺跡に隣接したホテルもあり、そこをベースにして日の出と日没時には別チケットで遺跡を堪能できるらしい。

しかし更に調べたところ、近年になって遺跡保護のため立ち入りできるエリアが制限されているとの事だった。サイトで確認したところ、かなりの制限範囲である。早朝や夕方の別チケットも発売されていないようだった。航空券の予約を入れる直前でジャワ島は断念することにした。

ここからは完全に迷走した。

ジャワ島から足を延ばすとオーストラリアである。エアーズロックは通年で乾期と言って良いだろう。ついついガイドブックまで買ったが、オーストラリアはインドネシア以上に食わず嫌いであり、どうにも心が動かない。その他、モンゴルも季節的に良さそうだったが、個人旅行のハードルは高そうだ。1人旅でドライバーを付けるとアジア旅行とは思えない金額になってしまう。

更に探したところ、ベトナムの北部と南部は雨季にあたるが、なぜか中部は雨が少ない時期らしい。ベトナム中部で有名なのはホイアンだが、フエという古都もある。ただし統計上の降水量は少ないものの、晴天率は低く、しかも気温は高い。かなり蒸し暑いのだろう。

いまいち決め切れない。

そうこうしていると、知人がラオスに出張していた。何枚か写真を送ってもらったが、雨季にもかかわらず、それなりに晴れ間がのぞいているようだった。今年は雨が少ないと地元の人が言っているとか。

そういえばCOVID-19前から、ラオスのルアンパバーンに行きたかったのだ。夏は雨季にあたり、統計上の晴天率はフエと大して変わらない。それでもルアンパバーンで見たかったのは早朝の托鉢であり、そこまで晴天にこだわる必要はないだろう。どうやら中国本土からの旅行者が戻っていないらしく、観光客が少ないうちが良いタイミングである。

ルアンパバーンヘのゲートウェーは、ベトナム航空でハノイか、バンコク・エアウェイズでバンコクが無難そうだった。バンコク・エアウェイズはJALと提携しており、東京からスルーの航空券を予約できるし、全行程がマイル加算である。迷うことなくバンコク経由でチケットを手配した。

バンコクからプロペラ機でルアンパバーンに到着すると、抜けるような青空である。雨季の晴れ間を逃すわけにはいかない。ホテルに荷物を置いて、すぐに撮影へ向かう。宗教施設を見学する姿勢として「端から機械的に」というのが正しいのか分からないが、街を歩きつつ順番に寺院を回ってみる。とにかく暑く、滝のように汗が出る。

しばらくすると曇ってきた。既に熱中症の手前だし、しかも昨夜は深夜便での移動だった。ホテルに戻って休憩することにした。

ウトウトと昼寝してしまったが、起きると再び晴れていた。宿泊していたホテルのレストランがメコン川沿いにあるので、部屋から外へ出てリバーサイドのテーブルを確保。まずは現地のビールであるラオビアを注文。東南アジアのビールにしては薄くなく、かなり好みの味である。

目の前には雄大なメコン川が流れ、うまいビールを片手に、美しい夕焼けが楽しめた。調子に乗って、ラオ・ウイスキーを追加で注文した。ラオ・ウイスキーはライス・ウイスキー、つまり米の蒸留酒なので、実質的には米焼酎と大差ない。筈である。氷を入れてオンザロックにすると丁度いい。

この日は滞在中で一番きれいな夕焼けを楽しめたのだが、旅行者としては何かが抜けていたのだろう。翌朝になって起きると、どうにも体が重い。

到着してすぐ撮影のために歩き回り、熱中症になりかけたのと、深夜便での移動による疲労のせいだと思った。もうオッサンである。若くないのだ。

その後、どうにもトイレが近い。ピーピーで観光に支障が出る程ではないのだが。その翌日も似たようなものである。東南アジアで売っている、ゆるい巻きのダブルロールとはいえ、2日でトイレットペーパー2巻は使いすぎである。しかも食欲もない。

ここに至って気付いた。調子に乗ってラオ・ウイスキーを飲んだのが失敗だった。

数年前にバリ島でライス・ウイスキーの蒸溜所に行っているので、この手の酒の質は理解していたつもりである。理屈上は米焼酎と大差ないとは言え、アルコールとしては不純物が多く、悪酔いする可能性が高い。しかし2日もピーピーするのとは別次元の話だ。

問題はオンザロックである。氷が諸悪の根源だろう。ホテルのレストランだと思って、安心したのが悪かった。

結局、滞在中ずっと食欲がなく、ラオス料理は1回しか食べられなかった。それでも幸運にも腹痛は起きず、寝込むこともなかった。

旅行前から迷走気味で、旅行中も色々あったが、概ね満足できるラオスの旅になった。