今年はGWにベトナムへ行った。毎月のように東南アジアへ行っていた生活は昨年で終わったが、やっぱり旅に出るのは楽しいし、ワクワクする。
同じワクワクを味わいたくて、夏も旅に出ることにした。ベトナムでは暑さで四苦八苦したが、それでも晴れている方が良いのだろう。アジアで乾期の場所を探してみたところ、インドネシアだった。旅行先としては食わず嫌いな印象だが、それも解消されつつある。と思う。それでもオッサン一人でバリ島に行くのは気が引けた。
インドネシアで別の島を探したところ、ジャワ島のジョグジャカルタに雄大な遺跡があった。遺跡に隣接したホテルもあり、そこをベースにして日の出と日没時には別チケットで遺跡を堪能できるらしい。
しかし更に調べたところ、近年になって遺跡保護のため立ち入りできるエリアが制限されているとの事だった。サイトで確認したところ、かなりの制限範囲である。早朝や夕方の別チケットも発売されていないようだった。航空券の予約を入れる直前でジャワ島は断念することにした。
ここからは完全に迷走した。
ジャワ島から足を延ばすとオーストラリアである。エアーズロックは通年で乾期と言って良いだろう。ついついガイドブックまで買ったが、オーストラリアはインドネシア以上に食わず嫌いであり、どうにも心が動かない。その他、モンゴルも季節的に良さそうだったが、個人旅行のハードルは高そうだ。1人旅でドライバーを付けるとアジア旅行とは思えない金額になってしまう。
更に探したところ、ベトナムの北部と南部は雨季にあたるが、なぜか中部は雨が少ない時期らしい。ベトナム中部で有名なのはホイアンだが、フエという古都もある。ただし統計上の降水量は少ないものの、晴天率は低く、しかも気温は高い。かなり蒸し暑いのだろう。
いまいち決め切れない。
そうこうしていると、知人がラオスに出張していた。何枚か写真を送ってもらったが、雨季にもかかわらず、それなりに晴れ間がのぞいているようだった。今年は雨が少ないと地元の人が言っているとか。
そういえばCOVID-19前から、ラオスのルアンパバーンに行きたかったのだ。夏は雨季にあたり、統計上の晴天率はフエと大して変わらない。それでもルアンパバーンで見たかったのは早朝の托鉢であり、そこまで晴天にこだわる必要はないだろう。どうやら中国本土からの旅行者が戻っていないらしく、観光客が少ないうちが良いタイミングである。
ルアンパバーンヘのゲートウェーは、ベトナム航空でハノイか、バンコク・エアウェイズでバンコクが無難そうだった。バンコク・エアウェイズはJALと提携しており、東京からスルーの航空券を予約できるし、全行程がマイル加算である。迷うことなくバンコク経由でチケットを手配した。
バンコクからプロペラ機でルアンパバーンに到着すると、抜けるような青空である。雨季の晴れ間を逃すわけにはいかない。ホテルに荷物を置いて、すぐに撮影へ向かう。宗教施設を見学する姿勢として「端から機械的に」というのが正しいのか分からないが、街を歩きつつ順番に寺院を回ってみる。とにかく暑く、滝のように汗が出る。
しばらくすると曇ってきた。既に熱中症の手前だし、しかも昨夜は深夜便での移動だった。ホテルに戻って休憩することにした。
ウトウトと昼寝してしまったが、起きると再び晴れていた。宿泊していたホテルのレストランがメコン川沿いにあるので、部屋から外へ出てリバーサイドのテーブルを確保。まずは現地のビールであるラオビアを注文。東南アジアのビールにしては薄くなく、かなり好みの味である。
目の前には雄大なメコン川が流れ、うまいビールを片手に、美しい夕焼けが楽しめた。調子に乗って、ラオ・ウイスキーを追加で注文した。ラオ・ウイスキーはライス・ウイスキー、つまり米の蒸留酒なので、実質的には米焼酎と大差ない。筈である。氷を入れてオンザロックにすると丁度いい。
この日は滞在中で一番きれいな夕焼けを楽しめたのだが、旅行者としては何かが抜けていたのだろう。翌朝になって起きると、どうにも体が重い。
到着してすぐ撮影のために歩き回り、熱中症になりかけたのと、深夜便での移動による疲労のせいだと思った。もうオッサンである。若くないのだ。
その後、どうにもトイレが近い。ピーピーで観光に支障が出る程ではないのだが。その翌日も似たようなものである。東南アジアで売っている、ゆるい巻きのダブルロールとはいえ、2日でトイレットペーパー2巻は使いすぎである。しかも食欲もない。
ここに至って気付いた。調子に乗ってラオ・ウイスキーを飲んだのが失敗だった。
数年前にバリ島でライス・ウイスキーの蒸溜所に行っているので、この手の酒の質は理解していたつもりである。理屈上は米焼酎と大差ないとは言え、アルコールとしては不純物が多く、悪酔いする可能性が高い。しかし2日もピーピーするのとは別次元の話だ。
問題はオンザロックである。氷が諸悪の根源だろう。ホテルのレストランだと思って、安心したのが悪かった。
結局、滞在中ずっと食欲がなく、ラオス料理は1回しか食べられなかった。それでも幸運にも腹痛は起きず、寝込むこともなかった。
旅行前から迷走気味で、旅行中も色々あったが、概ね満足できるラオスの旅になった。