ぎっくり

混雑した観光地は苦手なので、秋の四連休は自宅で過ごした。

土曜と日曜に関しては寝ているだけで、普段と変わらない。月曜と火曜については特に予定もなく、どうしたものかと思っていた。

予定もないのにサプライズなイベントを欠かさないのが、僕が僕たる所以である。月曜日にギックリ腰をやってしまった。

人生で二回目なので取り乱すことはなく、そもそも7月くらいから腰痛を抱えていたので、やった瞬間に分かった。

取り乱してはいないが、落ち着いているわけでもない。どう対処していいか分からないのだ。

まずはベッドに行って安静にするが、その後、どうすれば良いのだろうか。現代人らしくスマホで対処方法を検索してみる。

まずは冷やせと言っているサイトが多いが、直後でも温めろと言っているサイトも少なからずある。どっちなんだ。正反対のことを言われているにも関わらず、どちらも決め手に欠く。

知り合いの元薬剤師に聞いたところ、24時間以内は冷やせとのこと。これに従うことにした。

ギックリ腰で最大の問題は移動だが、特にヤバイのはトイレではないだろうか。トイレまで這って行くことはできるが、洋式トイレは椅子くらいの高さがある。かなり絶望的な高さだ。母親に2個の椅子を交互に並べてもらい、ほぼ座った状態でトイレに行った。

翌朝、いつも行っている鍼灸師に連絡がついた。前回のギックリ腰は鍼でマジックのように改善したのだ。今回も何とかしてもらえるだろう。

鍼灸院の臨時予約を入れ、母親に介護タクシーを探してもらい、マンションの部屋まで車椅子でピックアップしに来てもらった。

76歳に付き添われて介護タクシーに乗る43歳。理由がギックリ腰だけに、非常に情けない。

腰を鍼でゴニョゴニョしてもらい、お灸をすえてもらったところ、思った通り激的な改善が見られた。素晴らしい。お灸は患部を温めているので、結局、冷やせばいいのか、温めればいいのかは分からずじまいだったが。

帰宅困難に備えて往復で介護タクシーを頼んでいたのだが、帰りは車椅子なしで介護タクシーに乗車。翌日からはコルセットつきながら出勤できた。

ニューノーマルの時代、地震対策で水と食料と乾電池の備蓄、パンデミック対策でマスクとアルコールの備蓄が必要である。それらに加え、ギックリ腰対策で尿瓶とコルセットの常備をオススメしたい。

それをするくらいなら、毎日5分でもストレッチすればいいのかもしれないが。

しちがつのおもいで

タイミング的には夏枯れということになるのかもしれないが、それには関係なく、もう旅行ネタがない。なにかイベントがないとブログを書けないのが三流ブロガーの特徴なのだろうが、このままではCOVID-19のせいで、僕のブログが消滅してしまう。なんとかしないと。

しょうがないので先月の僕の人生について書いてみよう。内容の無さは、きらびやかな上野東照宮の写真で誤魔化したい。写真を撮影したのは6月だが、多少の誤差は大目に見て欲しい。なにしろネタがない三流ブロガーなのだから。

そんな僕の7月は過酷だった。

三流ブロガーにもプライドはあり、会社のグチは書かない事にしているが、7月は業務上の貰い事故のようなものが4件もあった。週に一度の計算である。

トラブルというわけでもなく、僕が非難されるようなものでもないのだが、こういうのは疲れる。無駄に残業も増えるし。かなり堪えた。

そういう時に限って、弱り目に祟り目、腕をあげると激痛がはしるようになった。しかも同時期に腰痛も悪化した。1時間くらい座っていると、立ち上がるのが一苦労である。満身創痍のようだ。

以前にストレッチ教室を挫折した僕は、鍼灸院の治療で何とかしてもらうのが健康法である。自分で伸ばすことをしないのなら、適度な刺激を与えて貰えばいい。

鍼灸院に行ったところ、年齢的には五十肩になってもおかしくない、とのことである。いくらなんでも五十肩には早過ぎるのではないかと思ったが、そういうときは四十肩と呼べばいいだろうとのこと。

押したり刺したりしながら診てもらったところ、症状的には初期の五十肩に近いが、診断確定するには病院にレントゲンを撮りに行く必要があるらしい。そんな面倒くさいことはパスした。わざわざ正式にオッサンであると認定してもらう必要はない。

しかも五十肘の疑いもあるらしい。腕を動かすと肘も痛いのだ。マウスの使い過ぎの可能性があるようだ。さらには腰痛悪化も、肩や肘の影響で姿勢がおかしくなっているのが原因の可能性大らしい。

手首から肘にかけてを意識的にストレッチするようにとのこと。またリストレスト付きマウスパッドを買うよう勧められた。

やっぱり満身創痍である。

自宅用 (東京と横浜で二重生活しているので2枚、さらに在宅勤務時の会社PC用に1枚) と会社用で合計4枚もリストレスト付マウスパッドを購入し、鍼灸院に何度か行ったのだが、肩から肘まで痛いままである。徐々に肩の可動域は増えているようだが、それでも腕をまわすと痛みがはしる。

4回目に鍼灸院へ行った時に、どこが痛いのかを改めて聞かれた。

以前にも歯医者で同じような質問をされたことがあるが、この手の質問は苦手である。腕をまわすと肩の付け根から腕にかけてが痛い。どこというよりも、全体的に痛いのだ。

しかし、鍼灸師が僕の動きを見ていると、腕の角度によっては、痛がらずに腕をまわせている場合があるとのこと。

再検討の結果、諸悪の根源は肘痛ということになった。多少、腕のスジには負担がかかっているが、そこまでの痛みにはならないらしい。原因は冷えではないかとの指摘。

会社ではクーラーの下に座っていて、冷風が直撃している。涼しくてラッキーくらいに思っていたが、着実にオッサンを蝕んでいたらしい。

普通のマウスパッドを持っているにも関わらず、4枚もリストレスト付きマウスパッドを買ってしまった。あれは無駄だったのではないか。そもそも会社が原因で肘痛になったのだから、労災にはならないのだろうか。

結局は会社のグチを書いてしまった。所詮、そこらのオッサンの日常なのである。ブログを継続するには、やっぱり旅に出ないとダメそうだ。

ねんがじょう

ここ数年、受け取る年賀状の枚数を基準として自分の価値を数値化し、最大化する取り組みを続けていた。それも限界を迎えつつあるのかもしれない。

基本的に年末年始は仕事になるのだが、今年は曜日の関係で4〜6日程度の休みが取れそうだった。長い休みを無駄にするのはもったいない。

休みは未確定だったが、1月1日出発でアモイ行きの航空券を取った。かなり確実な見込み、と言うやつである。確信犯とも言うが。

しかし世の中そんなに上手く行くはずもなく、航空券を取った翌週、12月に深圳出張の予定が入ってしまった。僕の手際が良すぎるのか、僕の会社の手際が悪すぎるのか。

世間で言われる通り、中国はキャッシュレス社会だ。

スマホのアプリでサクッと支払と受取ができる。深圳で会った中国人スタッフいわく、半年以上、現金を持ったことがないらしい。中国は偽札が多く、リスク回避の側面からも好ましいとのこと。

アプリは銀行口座とリンクしており、キャッシュレスを推進する政府の側でも、取引の可視化を進め、税金の取りはぐれを減らせるメリットがあるのだろう。

プライバシーに関わる懸念はあるが、便利さという意味では最強である。

一方、現金を維持する社会的なコストも削減できる筈だ。

原材料となる紙や金属の調達費用、偽造防止技術を取り入れた印刷などに関わる制作費用、物理的な移動やATMなどの流通費用、それに諸々の管理費用、最後に廃棄費用。現金そのものの価値は社会的・経済的に合意されているが、その合意の裏側では現金を維持するために膨大なコストがかかっている。

アナログな制度は金がかかる。

いまやIT社会なのだから、リスク分析をふまえた上で、現行制度を再検討する頃合いなのかもしれない。現時点で何も問題ないからと言って、現状維持で良いとは限らないのだ。常にプロセスを見直し、最適化していく必要がある。

僕の年賀状も同じではないだろうか。

年末になると郵便局はアルバイト募集をしているし、職員への過剰な販売ノルマ疑惑もある。日本郵便は本当に年賀状で儲かっているのだろうか。実質的には無意味とも言える一時的な高需要を満たすために、どれだけの経費を費やしているのか。輸送実績と売上を嵩上げする手段になってはいないだろうか。

年賀状はスマホのアプリでサクッと発送と受取ができれば良い。来年は年賀状をペーパーレス化する事を考えてみよう。

ただし葉書をペーパーレス化したら、それは単なる電子メールではないかという合理的な疑いは残るし、そもそも年賀状を出さなかった時代に逆戻りである。以前に指摘した通り、年賀状とはギブ・アンド・テイクであり、ペーパーレス化によって僕自身の価値を下げてしまう可能性が高い。

いかにペーパーレス化のリスクをヘッジするか。今年一年かけて、この問題を解決する必要がある。