ひっこし

人生には転機があると言う。転機は訪れるものというが、家康風に鳴くのを待っていても未だ訪れていない。家康を見習って待ち続けてもいいが、待ちくたびれてボケッとしている間に機会を逃す可能性もある。

今年は転機の年にしようと思った。鳴かせてみようではないか。秀吉チックな人生を目指そう。鳴かせる技巧はないかもしれないが、自らの意思である以上、鳴かせることは分かっているので、ボケッとしているうちに機会を失うことはない。アグレッシブにすることでリスクをヘッジできる。そんな投資機会が今までにあっただろうか。秀吉人生最高。

長年、新年の目標を作らないのが目標だったが、今年は敢えて目標を設定してみた。

・寿司屋でガリを食べる。
・天ぷら屋に行く。
・おでん屋に行く。
・カレー屋に行く。

目標初心者なので、こんなもんだろう。秀吉も急に太閤になったわけではない。

一月にオッサン達の新年の集いがあり、寿司屋でガリを食べた。握りの合間にガリを少々。ウニをもう一貫くださいと二回も言う僕にしては、ちょっと大人だ。出だしは上々。その後、天ぷら屋とおでん屋に行った。天ぷら屋は胃もたれを引き起こしただけだったが、おでん屋は素晴らしい。秀吉人生最高だ。

もうちょっとアグレッシブな人生を目指してみようと思い、Mixiからブログに移行することにした。引っ越しだ。動くだけならリスクは低い。どっこいしょ。

一方、急速に秀吉化している僕は、毎日3.5時間の通勤が嫌になってきた。秀吉なら、そんなものに坐して耐えるわけはない。信長から近所の領地をもらうだろう。動くだけならリスクは低い。どっこいしょ。新たな領地には家老と勘定奉行が必要なので、実家の倉庫からスヌーピー兄弟を連れて行くことにした。兄弟ともに僕よりデカい。僕は秀吉なので広めの部屋も止むを得ない。居城を固めるべく、草履とりにルンバも登用した。

そんなこんなで今月は引っ越し2件。1月にガリを食べ始めるところから、急速な進化である。来年は清州会議だ。

2011/04/09 はなぢ

ここのところ、毎日のように鼻血が出る。花粉症で鼻をこすりすぎているので、鼻の粘膜が傷ついてしまっているのだろうと思った。鼻の穴にオロナインを塗るのも手かと思ったが、ぼくの世界がオロナイン臭であふれてしまうと思い、耳鼻科に行ってきた。

病院に好き嫌いをつけるとすると、耳鼻科は嫌いな方に属する。そもそも耳鼻科の診察は原始的すぎる。そして拷問に近い。

・頭を椅子の背に固定させる。
・鼻あるいは耳の穴をこじ開ける。
・棒状のモノを穴から挿入する。
・アヤシゲな気体あるいは液体を注入する。

こういうことはジュネーブ条約で禁止されているのではないか。もっとも、今時、拷問の方が洗練されたテクニックを使っていると思う。裸で犬の真似をさせたり、便器の水を飲ませたり。

今日も耳鼻科は患者であふれていた。大体は子供である。ピーピー泣くのだ。やかましい。拷問前に意図的に恐怖心を植え付けられているようである。グアンタナモのようなことが、白昼堂々と都内で行われているのである。これが都知事選の争点にならなくて良いのか。

そして僕の番になった。椅子に座るように指示され、器具で鼻の穴をこじ開けられる。その後、鼻に棒を挿入されると、棒の中から液体のようなモノが噴出された。なされるがままである。拷問を止めるように説得しようとしたが、一瞬の隙に別の棒を挿入され、新たな液体を注入された。ぼくは抗議の意味を込め、一粒の涙を流した。

医者は花粉症で鼻の中にひどい炎症が起きているのだと言っていた。花粉症の薬と消炎剤を処方された。

こんなことになるのであれば、もっと早く耳鼻科に行くべきだった。もともと花粉症の薬は飲んでいたのだ。その薬が悪かったのか、非力だったのか、この有様である。妄想が暴走したあげく、ついにはオッサンなのに泣いてしまったではないか。

治療費を支払おうとすると、耳かきに来ていた乳児が人生の終わりのような声を上げていた。人生が始まったばかりの奴が絶望の深淵のような声を出すのである。やはり耳鼻科は嫌いだ。

2010/10/23 くれじっとかーど

水曜の夕方にクレジットカード会社から電話があり、深夜に1台15万のビデオカメラを買ったか聞かれた。それも2軒で2台。

動画の趣味はない。もっとも、趣味があったとしても、1度に2台もいらないだろう。何を撮るんだ。

不正使用されてますねぇ、なんていわれた。まぁ、確かに。僕が使っていないのだから不正使用だろう。

そして僕のマスターカードは取り上げられた。再発行するとのことである。

翌日、昼間に別のクレジットカード会社から電話があった。深夜に1台15万のビデオカメラを買ったかといわれた。今回は1軒で1台。

だから、動画には興味ないんだから。

で、こちらも取り上げられて再発行である。

ただし、こっちはSuica定期券機能付きだから再発行までが異様に面倒くさい。

Suicaを停止しに駅に行かないと再発行のプロセスを開始できないらしい。

Suicaを停止すると、JR東日本がJR東日本に「このひとはクレジットカードを不正利用されたカワイソウな人なので、定期を再発行してあげてくれ」という証明書を発行する (と言われた)。これは僕の自宅に郵送されてくるらしい (まだ来ない)。この証明書を持って駅に行くと、自動改札を通れる仮定期券を発行してくれるらしい (あまりにフクザツな話の一部なので、このあたりからは説明を理解できていない可能性もある)。

それまでは、元々はクレジットカードであり、Suicaであるものの、現実にはクレジットカード機能もSuicaの機能もないプラスチック板を駅員に見せて有人改札を通らなければいけない。

話によると、仮定期券をもらい、更にクレジットカードが再発行された時点で、仮定期券とクレジットカードを統合しないといけないらしいが、そこまでは長い道のりである。

今のところ、2回に1回は自動改札を通ろうとして失敗し、失敗せずに有人改札を通る3回に1回はカワイソウな人だと見られ、さらに3回に1回は自動改札嫌いの偏屈者を見る目で見られる。

大都会東京でスマートに有人改札を通れる機会は限りなく少ない。