2013/10/14 ぺなんのおもいで

毎年恒例のオッサン旅。旅に出るには目的地を決めなくてはいけない。が、なかなか条件に合う旅行先は無い。香港は飽き気味 (去年は四川料理の辛みで尻痛になり、同行オッサンは帰国翌日にノロウイルス感染が発覚)、インドネシアは怪しげ、ロシアは飛行機のスケジュール悪すぎ、ハワイは遠い。どこへ行けばいいんだ。

なんとなくネットを見ていたところ、マレーシアにペナンという街があった。イギリスの植民地だった街だ。ここにはラッフルズの創業者がアジアで最初に建てたホテルがある。らしい。たしかに見た目なんとなく似ている。都市開発に伴う埋め立てでラッフルズは内陸のホテルになってしまったが 、ここは今でも海沿いにある。いくしかない。

そんなこんなでペナン。出発前々日にシンガポール在住の友達に聞いたところ、いまが雨期とのこと。もう遅い。いくしかない。

2013/09/14 はばなのおもいで

ヒトは何故ハバナに行くのか。

カンクンから異様に席の狭いキューバ航空に乗って約一時間。ぼくのジュースを配るあたりでエンジン音が変化し、あきらかに下降していった。キューバ航空が安全性評価リストの下位を高麗航空と争っていたのを思い出した。ハバナにたどり着けるのか?

十数分後、なんとか生きてハバナに着いた。入国審査と税関検査を通り抜け、両替を済ませ、よく分からないままタクシーに乗ってホテルへ向かった。タクシーの車内から町を眺めると、あちらこちらで古いアメ車が走っている。路上で壊れている車も多い。ケネディ政権以来の経済制裁のせいだろうか。

到着翌日はハバナの二大イベント、ラム会社見学ハーシートレインの乗車で終わった。これらが無事に済むと、その後の二日は予定のない状態になった。しかもホテルのWiFiは一時間8ドル相当のチケット制である。

サッサと出国しようかと真剣に思った。

それでは何をしにハバナへ来たのか分からない。そもそも安い航空券なので、キューバ脱出日は変えられないのだ。片っ端からバーに入り、ラムを飲んで、適当に昼寝。

これこそハバナに来る意味である。

2013/09/14 はーしーとれいんのおもいで

よく旅行に出かけるが、あまり観光には興味ない。航空券を買って、成田空港行きのスカイライナーに乗ったら、それだけで満足するタイプである。美術館とか博物館は苦手だし。

キューバのガイドブックをペラペラめくっていると、チョコレート会社のハーシーが20世紀初期に敷設した鉄道が残っているとのことである。その名もハーシートレイン。キューバ唯一の電車で、1日3往復だそうである。どうせラム会社へのガイドを頼むので、帰りに駅で降ろしてもらうことにした。途中のハーシーという駅まで往復してみる。

が、旅行会社の返事は微妙に曖昧だった。
・電車が壊れると運休。
・停電すると運休。
とのことである。道理である。たぶんJRは口が裂けても言わないと思うが。

正式に依頼すると、旅行会社の人が駅に電話で確認してくれたが、駅員が電話に出ないとのことである。やむを得まい。

ラム会社で買い物をした後、ホテルに荷物を置いて、駅へと向かった。駅には電車が止まっていた。少なくとも写真を撮って帰れる。ガイドの兄ちゃんが駅のベンチに座っているオッサン (その後、車掌さんと判明) に聞いたところ、今日は電車が動いているらしい。すばらしい。ハバナ市街に戻るフェリー乗り場の場所を教えてくれ、そして兄ちゃんは去っていった。

ベルが鳴ると窓口があいたので、切符を買った。さらに手を石鹸水みたいなもので消毒させられる。電車に乗る前に消毒させられる話は聞いたことがないが、そういうものだろう。しばらくすると本当に電車が動き出した。

乗車中、さっきの車掌さんに運転席に連れて行かれた。意思疎通の手段に事欠く中、日本から来たというと、なぜか新幹線の運転士だと思い込まれた。誤解を解くだけのスペイン語力はない。さっきから左のポケットに入っている5ユーロ札を出したら、そのまま運転させてくれそうな雰囲気だった。