2014/01/27 たおるみーなのおもいで

お正月はしっかり働き、代休を3日ほど取ることになった。最近の知見よると、3日で東アジア、4日で東南アジア、5日でヨーロッパに行ける。ならば可能な限り遠くを目指すべきではないだろうか。

検討の結果、シチリア。

誰が言ったか、8月のパリに行くなとは人類史上最大の警句だが、冬のパリも避けるべきだと思う。パリだけではない。ロンドンも、フランクフルトも、ミラノも、寒い。

行くのは南欧ということになる。夏はセレブなビーチも、冬はロハスなビーチになる。これを僕の警句としたい。
が、現実は重く、厳しい。

なぜシチリアの冬はロハスなのか。それは需要がないからに他ならない。たしかに泳ぐには寒すぎる。たしかにスキーをするにも雪はない。そして曇りがちでエトナ山は見えにくい。

そしてイタリア人は需要減に極めてドラスティックに対応する。彼らは冬に店を閉める。需要がなければ、供給が減るのも当然だ。

誰が言ったか、神の見えざる手である。言い尽くされた言葉にこそ真理がある。

2013/10/14 しんがぽーるのおもいで

強引に旅に出る秘訣は、仕事帰りに深夜の羽田発に乗ること、そして最終日の夕方に日本に帰ってくること、である。

が、乗り継ぎの関係で、ペナンから日本に帰ってくるのは深夜か早朝になってしまう。24時に帰ってきて翌朝から会社に行く若さはなし、だからといって早朝に帰ってきて一日つぶすのももったいない。

というわけで、ついつい帰りにシンガポールで一泊。値段相当のホテルがない街の一つである。それならばラッフルズに泊まることにした。ペナンとシンガポールでサーキーズ兄弟のホテルに泊まる。そういう旅も悪くない。

ペナンからシンガポールにAir Asiaで戻った。空港の一番安い乗り場からタクシーに乗ると、Taxiというよりは的士というほうが似合うボロタクシーだった。オッサンに「ラッフルズ」と5回言わさせられる。しかも「古くて高級なホテルだな?」と念を押される。たしかにAirAsiaの荷物タグの付いたスーツケースも、このボロ車も似合わない。

ボロタクシーが入場拒否されるとか、Air Asiaで来たのがバレたら宿泊拒否されるとか思ったが、そういうことにはならなかった。

2013/10/14 まれーしあのおもいで

シンガポールからAir Asiaに乗って1時間半、ペナンに着いた。空港の税関の横に銀行の両替カウンターがあるが、こういうところは概してレートが悪いのでリンギット両替はパス。国際金融の時代、経済実態に即した現実的な選択といえる。

白タクのオッサンやら自称ポーターの大群を覚悟して到着ロビーに出ると、なにやら閑散としている。そして誰も声をかけてこない。悪徳タクシーやらボッタクリ客引きがいない。ここは南国じゃないのか?

ふと左を見るとタクシーの前払いカウンターがある。White Taxiと書いてあるが、そういう意味の白タクじゃない。

でもリンギットない。やや違法でもいいから、ボラれてもいいから、シンガポールドルでタクシー乗りたい。通貨の壁を打破してほしい。国際経済のグレーな部分に入り込みたい。

出発階に行ってATMを探しだし、なんとかリンギットを入手。Citibankは世界中のATMで現金引き出しできるのだ。ボーダレス化する世界の金融。といっても、いまいちリンギットを分かっていないので、ほぼ思考停止状態で600リンギットおろす。深い理由も浅い理由もなく、エイヤッと600というボタンを押したのだ。多分にまんえん的な。

思えばオロカなことだった。金融関係者のいうCPIベースの貨幣価値を知らなかったのだ。過剰なリンギット投資。旅行期間中は公共交通機関を使う慎ましい生活をしているので、なかなかリンギットが減らない。

しかも、リンギット使うぞと思って錫のマグカップを買いに行くも、現金は落とすのが不安で、大半はホテルにおいてきたのだった。結局、錫マグカップはクレジットカードで支払いを済ませた。金は使うがリンギットは減らないという、デフレスパイラルの様相を呈し始める。

リンギットを使い果たせないままマレーシア終了。日本円に換金することを自分自身に許さず、帰りに寄ったシンガポールでシンガポールドルに換えた。行きにもシンガポールで5時間の乗り継ぎ時間にマーライオンを見に行ったため、既に潤沢にシンガポールドルはある。そこに更にシンガポールドルの手元資金が増えた。金融関係者のいうハードランディングである。

金融政策の難しさが分かった。