飽きもせず香港に行ってきた。観光には興味はないし (スターフェリーと路面電車に乗れれば満足である)、ショッピングにも大して興味はない (買いたいものはスーツケースと靴くらいだが、どちらも置き場がない)。メインは飲食だ。朝は早起きして飲茶へ行き、夜は夜でレストランに行っていた。そして余った時間でバーに行く。
飲茶は朝が早い。去年いってみた、地元オッサンの憩いの地のような飲茶店は、今回も朝7時半には満席だった。早起きをして飲茶店に行き、オッサンに交じって新聞を読み、お茶を飲み、ちょっとずつ食べる。素晴らしい時間である。
一方、夜の食事には心が引かれないことが判明した。夜に食べ過ぎると、翌朝の飲茶に支障をきたす。ついつい高級食材に目が行くから高くつく。冷める前に食べようとするせいもあるのだろうが、作るペースで配膳されることが多くて落ち着かない。中華とワインはあわないように思えるし、中国酒は苦手だ。ビールばかり飲んでいると、食べる前に満腹になってしまう。
しっかりした食事に行くと思うと食前のバーでは自重せざるをえないし、翌朝の飲茶を考えると食後のバーでも自重しなくてはいけない。全くバーに行けないわけではないが、心おきなく飲めるわけではない。
今回見えてきたのは飲食、つまり食事と酒のバランスの最適化の必要性といえる。今後は夜の食事を簡略化して、夕方からバーに行き、早めに寝て、万全の態勢で早朝の飲茶に行こうと思う。香港における飲食の持続可能な最適配置である。
人生の諸問題に万全な対処をしようと思うことは極めて少ないが、このような例外もある。残念ながら例外は例外であって日常ではない。