2014/07/07 ひらいずみのおもいで

年に二度ほどオッサンが集って旅に行く。今回は一年半ぶりに秋田の後生掛温泉に行った。東京から新幹線とバスで約6時間の旅。

原生林の中に温泉宿があり、宿から少し歩くと、原野の中に温泉が噴出している。ボコボコと泥とともに水蒸気が吹き上がっているのだ。夕暮れ時に行くと、なんとも荒涼とした世紀末のような景色である。

温泉からの帰り、平泉に立ち寄った。仙台に行きたいバーがあり、時間調整の必要があったのだ。時間調整なので、中尊寺と毛越寺の両方に行く時間はない。オッサン達には心の平安が必要なので、浄土を表現した庭のある毛越寺に行ってみた。

順路にそって庭を一周してみたが、庭に浄土は感じられない。避暑に行ったのに、梅雨の中休みで東京より暑いせいだろうか。お守りと一緒にカルタやら茶葉やら売ってる売店があるせいで、浮世の仕組みから逃れられないせいだろうか。拝観料を払った上、更にお賽銭を投じることに疑いを持ったまま本堂を参拝したせいだろうか。軽トラで芝生の手入れをしていたりして、浄土というよりはゴルフ場のクラブハウス前の池みたいだ。

世紀末は圧倒されるほど強く心の奥底に感じられるが、浄土は片鱗すらも感じられない。悟りからは程遠く、むしろ泥のような煩悩がボコボコ噴出している。仏の道は難しい。

2014/05/04 ちんくえてっれのおもいで

毎年、知り合いのオッサンと旅に出かけているが、なぜか今年はイタリアに行こうという話になった。ベネチアでオッサン二人ゴンドラ。

僕はさておき、知り合いオッサンはなかなかに忙しい。それでもゴールデンウィークの前半を上手く使いこなすと5日から6日の休みを取れることが判明した。

が、結局、そこまで考えたところで日程があわずに断念。

しかし、オッサンいないからといって、せっかく捻り出した5連休を無駄にするのか。

そこで昨年から気になっていたチンクエテッレに行くことにした。JALの羽田の深夜便がなくなったので、やや苦手なANAでどうも苦手なフランクフルト空港。それからパリへ行き、さらにジェノバ。そこで鉄道に乗り換えて更に約1.5時間。遠い。

天気は上々。そして村は美しい。ゴンドラはないが、それはやむを得まい。

2014/04/15 はくしゅうのおもいで

先日、フトしたことから山梨県の白州蒸留所に行った。東京からバスで行ったのだが、久々に乗ったせいか長距離バスは疲れる。渋滞もあって往復7時間くらい乗っていたが、飛行機で香港あたりに往復するよりも厳しい。どうしてバスは疲れるのか。

1. 時として渋滞する。
渋滞とは停滞であり、絶望である。着陸の順番待ちであっても、飛行中は少なくとも移動しており、そこには希望がある。

2. ビールすらない。
片道3時間ほどであれば、軽く食事をして、ビール二杯くらいで丁度いいはずだ。だが、サービスエリアにビールは売っていない。飛行機ならウイスキーも飲めるのに。

3. 途中休憩。
いちいち止まる。ソウル、上海、台北と経由して香港に行く話は聞いたことがない。

4. サービスエリアのカレーパン。
揚げパンにカレーが入っている。もたれた胃に刺激が加わる。

5. 東京付近の渋滞。
高尾付近まで戻ってくると、もう旅の気分は終わりである。そこからは諦めて迅速に帰りたいが、真綿で首を絞めるように調布あたりでも渋滞している。

こんどはJALで白州に行こうかと思う。