秋田県の後生掛温泉が大好きだ。初めて行ってから既に15年くらいになるが、冬場は人が少なくて特に良い。
昨年1月には地元の八幡平ビジターセンターが主催するスノーシュートレッキングに初めて参加した。雪に閉ざされた絶景を楽しむ事ができたが、天候はイマイチだった。なんとかリベンジすべく、昨秋のトレッキング予約開始にあわせ、今年1月でガイドさんと宿の予約を入れた。会社の休みありきの日程で2カ月も前に予約するので、あとは運を天に任せるしかない。
運を天に任せると言っても、実態としてはギャンブルに近い。旅行先の選定にはWeather Sparkというサイトで晴天率をチェックする事が多いが、このサイトによると冬の秋田県は15%程度の低さである。
一方で降水確率も意外に低くて30%くらい。もっとも1ミリ以下の降水はカウントしていないようなので、小雪が舞う日まで入れると、確率は遥かに高くなる可能性がある。晴れは狙えないにしても、せめて降雪が写真に写りこまないようにしたい。
ところで昨年12月からロクなことがない。年が変わったら急激に良いことが起きるかと思ったが、そんなに甘くはなかった。当日、去年と同じガイドさんに「写真を撮るなら晴れている時に来なきゃ」と軽口を叩かれてスタート。そんなことを端から言われてしまう天気である。
しばらくすると吹雪になった。昨年より確実に悪化している。晴れを期待できないのは分かっているが、吹雪でなくても良いだろう。
水蒸気が噴き出す沼を見下ろす丘に登った時が、一番の吹雪だった。せっかくの絶景なのに、丘の下から雪が舞い上がり、見通しがきかない。こういうのが日頃の行いの結果だとすると、僕はロクでもない人間なのだろう。
ありがちなことではあるが、宿に戻った時は晴れていた。別れ際にガイドさんから「3回目来ます?」と笑って聞かれた。
多くの旅館スタッフがスノーシューに参加したことを知っており、戻った時に「晴れて良かった」と言ってくれた。秋田人の優しさが心にしみるが、秋田の空は僕がロクな人間ではないと断じていた。
来年は3回目のチャレンジをしよう。僕の人間性の改善は難しいが、数をこなしさえすれば、いつかギャンブルに勝てる日は来るだろう。
旅の記録:北秋田
記載の時刻等は訪問時のダイヤです。
角館で夜の武家屋敷を見に行かなかった以外、昨年と実質的に同じ行程。マンネリなのでも、アイデア不足なのでもない。完成された様式美である。
1日目
羽田 0855 (ANA719) >> 大館能代 1005
大館能代空港 1020 (空港バス) >> 大館駅前 1113
・花善
大館 1336 (花輪線) >> 鹿角花輪 1428
鹿角花輪 1435 (送迎バス) >> 後生掛温泉 1520
宿泊:後生掛温泉2泊
1日目Tips
・本来であれば、この日に「秋田比内や」に行きたかったのだが、羽田からのフライトが1時間ほど遅れ、バスが大館駅前に着いた時点で12時を過ぎていたので挫折。元々3日目の予定だった大館駅前の「花善」に行くことにした。出来たての鶏めしが美味しい。
・大館能代空港のバスが大型化されていた。途中の鷹ノ巣駅まで混むことが多かったので、素晴らしい進化である。
3日目
後生掛温泉 0930 (送迎バス) >> 鹿角花輪 1020
鹿角花輪 1053 (花輪線) >> 東大館 1141
大館 1357 (つがる4) >> 鷹ノ巣 1414
鷹ノ巣 1440 (秋田内陸線) >> 角館 1641
角館 1702 (こまち38) >> 大宮 1939
大宮 >> 横浜
3日目Tips
・東大館駅で降りて徒歩で「秋田比内や」。絶品の比内鶏親子丼と素晴らしい接客の女将さん。
・秋田内陸線の急行車内では日本酒を売っている。昨年はワンカップだった気がするのだが、今年は300ml瓶に小さい枡が付き、種類も増えた。冬景色を眺めながらチビチビと角館へ向かった。こちらも素晴らしい進化である。