旅のしおり:流氷

記載の時刻は訪問時のダイヤです。

1日目

羽田 (ANA375) 1035 >> 紋別 1220
紋別空港 (無料バス) 1235 >> 海洋交流館・ガリンコ乗場 1243

・1330 ガリンコ号
オホーツクタワー
アザラシ餌やり
・1615 ガリンコ号サンセット

ガリンコ乗場 1800 (バス) >> 紋別バスターミナル 1815

宿泊:ホテルオホーツクパレス

夕食:海鮮遊食Rin

1日目Tips
・ガリンコ号のダイヤにあわせて、紋別市内と船着場を結ぶバスが運行されているので便利。
・2日目も含め、時間帯を変えて3回もガリンコ号に乗った。これではガリガリ君である。やり過ぎかと思ったが、4回乗船という強者も見かけた。
・混んでいなかったので、アザラシ餌やりに参加。芸をしたアザラシにホッケをあげると、スルッと飲み込むのである。この夜、ホッケを食べたが、僕はビール付きである。人間で良かった。

2日目

紋別バスターミナル 0515 (バス) >> ガリンコ乗場 0530

・0600 ガリンコ号サンライズ

ガリンコ乗場 0720 (バス) >> 紋別バスターミナル 0735

朝食:出塚水産

オホーツクパレスホテル 0950 (ひがし北海道エクスプレス) >> 網走おーろらターミナル 1245

・1400 >> 1230 オーロラ号
流氷硝子館

夕食:中鮨

網走バスターミナル (空港バス) >> 女満別空港
女満別 1905 (ANA 4780/AirDo) >> 羽田 2100

2日目Tips
・朝食は紋別港にある出塚水産で揚げたて蒲鉾を買い食い。散歩がてら丁度いい。朝ビールの欲望に耐えた。エライ。
・バスが網走に早く着いたので、なりゆきで予約よりも1便前のオーロラ号に変更。
・オーロラ号からはオジロワシを見る事ができた。船の音で逃げてしまうのだが、なんとか望遠レンズなしで間にあった。
・時間が余ったので、砕氷船の中から見つけた流氷硝子館へ。ちょっと感じのいいガラス工芸品と、ちょっと感じのいいカフェ。喫茶店に行くのは年に数回、馬鹿の一つ覚えのようにエスプレッソしか頼まないオッサンには似合わない。
・僕の勘違いにより店を早めに開けて頂いて、網走バスターミナルに近い「中鮨」という寿司屋さんへ。ありがたいが申し訳ない。関東にはない寿司ネタがあって面白い。
・ANAマイレージを使い、AirDo運航便に初めて搭乗。昨年のStarFlyerと同じパターン。ウイングレットがカワイイが、エコノミー席はエコノミー席である。

砕氷船の記憶

流氷を見に行く砕氷船は紋別と網走にあり (羅臼にもあるらしいが、公共交通だとアクセスが悪そうでパス)、どちらが良いのかは悩ましい。

今回は紋別をメインにした。

地理的に北側にある紋別のほうがアムール川に近そうで、流氷遭遇率は高そうな気がするが、網走の方が東に張り出している。風向などの要素もあるので、どちらが良いとは一概には言えないのではないだろうか。どこかで見かけたデータによると、網走のほうが陸上からの流氷観測数は多いとか (?)

今回は体感的には大差なかった。どちらも1時間程度の航海で、沖合の流氷帯まで片道15〜20分の航海が必要。ゆえに流氷の中をウロウロするのは20分ちょっと。

事象としては海の中に氷塊があるだけである。それだけなら紋別も網走も大差ない。筈である。網走は晴れると知床まで見渡せるので、晴れた日なら網走が良いだろう。オジロワシも見られたし。

夕方のサンセット・クルーズは紋別、網走どちらにもあるが、早朝のサンライズ・クルーズは紋別のみだった。太陽は東から昇るので、オホーツク海沿岸ではサンライズの方がドラマチックだ。と思う。

紋別の方が船は小型で乗客も少なく、じっくり楽しめる気がする。僕には網走の船は大きすぎというか、乗客が多すぎた。

どちらにしても沿岸近くまで流氷が来ていることに加えて、天気が良いことが条件になる。今年はCOVID-19の影響で航空券を無料キャンセルでき、直前に変更したフライトにも空席があった (羽田〜紋別線は毎日1往復しかない。そもそも紋別空港自体が1日に1往復しかないのだ)。紋別のホテルにも空きがあった。

通常であれば、そういうわけにはいかないだろう。当日の天気が悪くても諦める覚悟で航空券を取る必要があると思われる。そこまで考えると、飲食店や観光施設が多い網走の方が無難かもしれない。

結局、悩ましいままである。

りゅうひょうのおもいで

昨年は人出の少ない超有名観光地を訪問したが、流氷を見に行く事は挫折した。そもそも思いついたのが遅かったせいもあるのだが、どこに流氷を見に行けば良いのかも分かっていなかった。

ちょっと調べてみたところ、流氷が見られるのは、紋別、網走、知床らしい。有名なのは紋別「ガリンコ号」と網走「オーロラ号」。どちらも砕氷船だが、ガリンコ号は船首にドリルがついていたりと、船の構造が違うらしい。

あれこれ考えているうち、昨冬は機会を逃してしまった。その後、夏まえに釧路を再訪したり、初秋に知床へ行ってみたりと、道東の地理や交通は何となく分かるようになった。

今年の冬は寒くて雪が多かった。たぶん流氷の元になるアムール川流域も寒いのではないだろうか。今年こそは流氷を見に行こう。

旅程としては、釧路からSLで標茶、そこからバスで川湯温泉。翌日はバスで川湯温泉から網走に向かう。網走で砕氷船に乗った後、さらにバスで紋別へ行って夕方の砕氷船に乗船。最終日も紋別で早朝の砕氷船に乗った後、羽田への直行便で帰京する計画である。スケジュール的にはキレイにハマり、ほぼ完璧な計画である。航空券を取り、SLと流氷船の予約を入れた。

しかし、あとは行くだけとならないのが、今回の旅である。

まずSLが故障してしまった。同時刻でディーゼル牽引の列車が運行されるらしく、予定に影響はない。そして紋別の砕氷船「ガリンコ号」の新造船も故障してしまい、古い船のみでの運航となるらしい。こちらも予約振替があって、予定への影響は軽微。

SLには追加料金的なものがあるようで、ディーゼル機関車だと指定券の差額返金。砕氷船の方は新造船に追加料金があるらしく、こちらも乗船券の差額返金。こういう場合は料金が安ければ良いということはなく、むしろ安い方が悪いのではないか。

昨年の知床訪問時に天気は悩むだけ無駄と悟ったはずではあるが、最大の難関は天気だった。出発の前週から何度も週間予報を見ていたが、どうやら旅行3日目の天気が悪いようだ。

悶々と悩んだ末、出発の前々日になって日程変更することにした。紋別へ先に行き、網走経由で川湯温泉に行く計画である。飛行機と砕氷船、それにホテルには空きがあり、まずは予約を変更。

しかし冬の道東は難易度が高かった。

北海道ではレンタカーを借りる僕とはいえ、それは春から秋までの話である。東京の雪道で歩行中に転ぶようなオッサンに、北海道の雪道で自動車を運転する資格はないものと思われる。ゆえに冬は公共交通機関を頼るしかないが、紋別に先行する逆ルートでは、バス、釧網本線、東京へ戻る飛行機の接続が悪い。

川湯温泉からは釧路を経由し、午後のフライトで帰ろうと思ったが、移動時間よりも釧路での待ち時間の方が長くなる。網走に戻って、女満別空港からのフライトで戻るにしても、冬の網走駅で往復とも3時間待ちが発生してしまう。結局、川湯温泉へ行くのは挫折。1泊で流氷だけを見に行くことにした。

当日、羽田からのANAで紋別に着くと曇っている。ちょっと暗い気持ちになってしまった。もはや天気は悩むだけ無駄なのだが。それでも砕氷船に乗る頃には多少の青空が見え始めた。日没の時間帯には夕焼けらしきものも発生。

ここに至って悩む意味はないが、だからと言って鷹揚にもなれないまま、紋別の街へ夕食に出た。部屋に戻って外を見ると、空には月が出ていた。明日は期待できるのだろうか。

翌朝は4時半に起き、砕氷船へ。空を見上げると快晴である。なんとも素晴らしい日の出を楽しむことができた。

最初の完璧な計画からは随分と変わったが、悩んだかいがあった。写真撮影という目的がある以上、やっぱり天気について鷹揚になるのは難しい。これからもグジグジと悩みながら旅をするしかないのだろう。

ざおうのおもいで

このブログの読者に蔵王在住の方がおり、蔵王を訪問してみないかと勧められていた。蔵王は温泉とスキーの町だが、最も有名なのは樹氷だろう。せっかく行くのであれば、樹氷を見てみたい。

樹氷は真冬の2月がベストシーズンらしい。第二の選択肢として、1月中旬か3月中旬か伺ったところ、1月中旬の方が良いだろうとのこと。

そこで正月休みの代休で蔵王に行くことにした。初日は蔵王の温泉宿に泊まり、2日目は肘折温泉へ。

蔵王の樹氷と言えば、雪が付着して白いモンスターのようになった木々が、快晴の青空に映える写真が有名である。山の天気は変わりやすいが、そんなに上手くいくものなのだろうか。

今回は旅程をフレキシブルに変更できるJRを利用した。初日の朝イチ下り新幹線、3日目の上り終電を予約して最大限の滞在時間を確保しておき、天候にあわせて予約を変更する。他の予定を入れなかったので、移動を考慮しても、樹氷を見るチャンスは3回ある。

3日間あれば、1回くらい上手くいく筈である。たぶん。

しかし、週間予報は、かなり厳しい。極めてフレキシブルな予定だったが、日程そのものは変えられない。出発前日の時点で、初日の夕方に数時間の晴れ間があるだけ。あとは完全な曇り予報だ。旅行期間中ずっと天気が悪ければ、フレキシブルな行程である意味はない。

本当に上手くいくものだろうか。

初日は早起きせず、昼前に東京を出発する山形新幹線に乗車。除雪作業に時間を要したとかで、新幹線は遅れていた。昨夜の山形は天気が悪かったのだろうか。あまり幸先がいいとは言えない。

快晴の関東平野を抜けると、福島県は文字通りの曇天である。山形県に入ると更に悪化し、場所によっては雪が舞っている。

それでも山形駅に着く頃になると、風で流れる雲の奥に、太陽が見えた。気がした。

明るい兆しだろうか。

山形駅からバスで蔵王に向かう。山間部に入って、標高が上がるにつれて再び視界が悪くなった。

この日はダメだと思った。温泉街をブラブラして昼寝でもしよう。

ところが16時頃に空を見上げると、なんと急激に晴れ始めている。やっぱり山の天気は変わりやすい。

あわててロープウェイ乗り場へ。ところどころ消雪されている道路を小走りで駆け抜け、ロープウェイに出発ギリギリで飛び乗った。途中のゴンドラ乗り換えも最速で済ませ、なんとか日没前までに頂上へ到着できた。

白いスノーモンスター、青い空、そこに真っ赤な夕陽が加わっている。現実とは思えない絶景だった。日没前後の時間帯をマジックアワーと言ったりするが、マジックを超越して、神秘的である。なんとも素晴らしいが、なんとも寒い。極寒もまた、神秘であり、現実である。

周囲が完全に暗くなった頃に撮影を切り上げ、夕食時間までに宿へ駆け戻る。

完璧な2時間だった。宿で祝杯をあげる。山形県川西町の「住吉」という日本酒を注文した。樽香が特徴の辛口。うまい。さらに地酒を追加した筈だが、そちらは記憶にない。山形の酒で杯を重ねて酔っ払い。

初日で旅の目的は達してしまい、あとは温泉に入るだけのダラダラ旅。

最終日、新幹線車内から見る山形市内は悪くない天気だった。しかし新幹線を降りて、バスで蔵王に向かい、 防寒具を取り出して再びロープウェイに乗るのは想像できない。

山の天気は変わりやすいのだ。蔵王まで行って晴れている保証はないし、昼の好天が夕方まで続く保証もない。ゆえに初日より素晴らしい景色に遭遇できる可能性は極めて低い。自然の織りなす絶景の記憶は、絶景のままが良い。

そんなのは言い訳である。

もう満足しきってしまった。初日の夕方は冷えすぎたし、その後は温泉に入りすぎて疲れた。新幹線指定券の再変更も必要である。もう極寒の山上まで行く気力がないのだ。

ダメオッサン。高鼾で昼寝をしながら、早々に家に帰った。

旅の記録:蔵王

記載の時刻等は訪問時のダイヤです。

1日目

東京 1000 (つばさ135) >> 山形 1344
山形駅前 1420 (バス) >> 蔵王温泉バスターミナル 1457

ロープウェイで樹氷を見に行く

宿泊:深山荘高見屋

1日目Tips
・まったく蔵王を分かっていないで宿を予約したので、古い温泉街では最もロープウェイから遠い宿をとってしまった。それでも徒歩15分くらいだけど、アップダウンもあり、雪に慣れていない関東人には辛い。
・樹氷のライトアップを見に来るらしく、18時頃の上りロープウェイは団体客で混んでいた。日没後のライトアップであれば、吹雪でもない限り、天候に左右されずに楽しめそうだ。

2日目

蔵王温泉バスターミナル 1020 (バス) >> 山形駅前 1105
山形 1246 (つばさ133) >> 新庄 1331

宿泊:肘折温泉 丸屋

2日目tips
・僕が泊まった宿では送迎してくれたが、新庄駅から肘折温泉までは村営バスも利用可能。

3日目

新庄 1117 (つばさ140) >> 大宮 1423
大宮 (JR) >> 横浜

3日目tips
・馬鹿の一つ覚えのように、大宮で新幹線を降りて、普通列車グリーン車で確実に座って横浜まで戻る。20分くらいロスしている模様。そもそも大宮からなら普通車でも座って帰れるのではないかという疑いを抱きつつあり。