COVID-19によって中断していた東南アジア旅であるが、再開後はシンガポールを起点に、マレーシア、インドネシアあたりを訪問している。ちょっと目先を変えて、シンガポールからは行きにくい場所を訪問してみたいと思った。
あまり行ったことのない、バンコクを起点に考えてみよう。タイといえば、タイ料理が苦手なので苦労している。タイ国内はパスしたい。
しばらくブランクがあったので忘れかけていたが、ラオスのルアンパバーンに行ってみたかった。托鉢の行列が有名な古都である。オバマ元アメリカ大統領が絶賛した街らしいが、オバマ絶賛の地は東南アジアに大量に存在するので、真偽は不明である。この手のマイナー都市はシンガポールから行きにくかったりするので、今回の趣旨にも合致する。
バンコクからは、エアアジアとラオス航空が直行便を運航していた。エアアジアが早朝にバンコクを出るフライト、ラオス航空が午後にバンコク着のフライトで、スケジュール的に丁度いい。
諸々の手配を済ませたが、行きのエアアジアが欠航になってしまった。ラオス航空で取り直しても良かったのだが、それだとルアンパバーン到着が夜になってしまう。もともと短い日程なのだが、現地滞在が更に短くなってしまうので挫折。
改めて別の場所を探すと、カンボジアに行ったことがないと気付いた。アンコール・ワットは世界的な観光地だが、まだ人出が少ないうちに行ってみたい。季節的にも、どうやら雨季は終わっているらしい。しかもシンガポールからは、アンコール・ワットのあるシェムリアップに直行便が運航されていなかったので、当初の条件にも合致する。
バンコク市内からタクシーでドンムアン空港へ。土曜日の朝だったので余裕かと思っていたが、渋滞がひどい。タイがタイであることを忘れていた。チェックイン締め切り時間を僅かに過ぎて荷物を預け、タイ出国。
飛行機が飛び立つ前に寝込んでしまい、目が覚めるとカンボジア領空だった。窓から景色を眺めると、あちこちで洪水している。雨季は終わっているはずだが、大丈夫だろうか。
カンボジアのビザは事前にネット申請しておいたので、シェムリアップ空港に到着後は余裕で入国審査を通過。ホテルのドライバーにピックアップしてもらい、街へ向かう。
先日のビンタン島では調子に乗って高級ホテルに泊まったところ、宿泊自体はリーズナブルだったが、食事やら移動が高級ホテル値段になってしまった。今回は遺跡見学のために移動の手配が多いので、評判のいい中級ホテルを探した。
ホテルに着いて荷物を置き、まずは市場の撮影にOld Marketへ出かけた。そして昼食。
カンボジアでは米ドルが普通に使えると聞いていたので、米ドルの現金を持っていった。数年前のボストン訪問時の使い残しである。円安の時代、実質的には2割安で旅行ができることになる。運が良い。
実際のところ、普通に使えると言うのも微妙に違っていた。僕が持っていったのはアメリカで流通していた紙幣なので、状態はかなり悪い。しかしカンボジアでは少しでも破れていると受け取り拒否のようである。特に高額紙幣はチェックが厳しい。たしかにカンボジアにはアメリカ連邦準備銀行はなく、傷んだドル紙幣をカンボジアの市中銀行で交換してくれるとは思えないので、しょうがないのだが。
結局、持ち込んだ20ドル札は大半が使えず、クレジットカード払いになった。円安を回避できたと思ったのだが、そうは問屋が卸さなかった。
そもそもルアンパバーンに行けなかったオッサンである。そんなに運が良いわけがないのだ。