2014/07/07 ひらいずみのおもいで

年に二度ほどオッサンが集って旅に行く。今回は一年半ぶりに秋田の後生掛温泉に行った。東京から新幹線とバスで約6時間の旅。

原生林の中に温泉宿があり、宿から少し歩くと、原野の中に温泉が噴出している。ボコボコと泥とともに水蒸気が吹き上がっているのだ。夕暮れ時に行くと、なんとも荒涼とした世紀末のような景色である。

温泉からの帰り、平泉に立ち寄った。仙台に行きたいバーがあり、時間調整の必要があったのだ。時間調整なので、中尊寺と毛越寺の両方に行く時間はない。オッサン達には心の平安が必要なので、浄土を表現した庭のある毛越寺に行ってみた。

順路にそって庭を一周してみたが、庭に浄土は感じられない。避暑に行ったのに、梅雨の中休みで東京より暑いせいだろうか。お守りと一緒にカルタやら茶葉やら売ってる売店があるせいで、浮世の仕組みから逃れられないせいだろうか。拝観料を払った上、更にお賽銭を投じることに疑いを持ったまま本堂を参拝したせいだろうか。軽トラで芝生の手入れをしていたりして、浄土というよりはゴルフ場のクラブハウス前の池みたいだ。

世紀末は圧倒されるほど強く心の奥底に感じられるが、浄土は片鱗すらも感じられない。悟りからは程遠く、むしろ泥のような煩悩がボコボコ噴出している。仏の道は難しい。