ブログを書く順番のせいで既に夏も盛りを過ぎつつあるが、ベトナムのホイアンに行ったのはGW前である。日本では暑さとは無縁の時期だったが、4月のベトナム中部は乾期であり、太陽が力強い。
昼間のホイアンは気温33度、湿度75%くらいだった。つまり異様に蒸し暑い。数週間前まで寒いと言っていた身には堪える。古民家を改造したホテルに泊まったので、部屋の冷房効率が悪く、ホテルに戻っても涼しくない。
着いて早々に夏バテになってしまった。しかも街歩きで脱水症状を起こしてしまったのか、最終日に向けて悪化していった。久々にアクエリアスを飲んでみたが、ベトナムのアクエリアスは炭酸入りでイマイチである。
ホイアンからの帰りは、ダナンから国内線の飛行機でホーチミンシティに戻った。ベトナム国内線は遅延や欠航の多発など、怪談のレベルに達している。ホーチミンシティの乗り継ぎは、かなり余裕のある接続にしておいた。
ダナン空港に着いて確認したところ、この日は時間通りのフライトらしい。ホーチミンシティでは4時間ほど時間ができそうだった。乗り継ぎにかかる時間を除いても、実質的に2時間半くらいの余裕がある。
美味しいフォーが食べたい。
ホーチミンシティの空港は街から近い。2時間半あれば街へ出てフォーを食べられそうだ。しかし人生初のホーチミンシティであり、土地勘は全くない。しかもベトナムのタクシーはボッタクリが多いらしく、タクシー移動もハードルが高い。
悩ましい。夏バテで弱っているのだが、初めての街でフォーを食べに行けるのだろうか。空港で大人しくしているべきではないだろうか。
悩んでいる場合ではない。
アクエリアスは避け、発泡なしのスポーツドリンクを飲んで水分補給をはかりつつ、搭乗待ちの間にホーチミンシティのフォーの店を調べた。バックパッカーが集まる安宿街の近くに美味しいフォーの店があるらしい。別の情報によると、空港バス終点のバスターミナルから安宿街までは近いらしい。論理的には空港バス終点の近くに美味しいフォーの店があると考えられる。
空港から終点までバスに乗り、バスを降りた近所でフォーを食べ、同じバスで空港に戻る。これくらいなら土地勘がなくても何とかなるだろう。あとは時間との勝負である。最悪はボッタクリでもいいからタクシーに乗ろう。
ベトナム国内線にもかかわらず、定刻より少し早くホーチミンシティに到着した。速攻で国際線ターミナルに向かう。ダナンではスルーで荷物をチェックインできなかったのだ。しかし約4時間前ではチェックインカウンターは開いていなかった。時間に余裕があるのは結構なことだが、さすがに早すぎである。フォー計画は壁にぶつかってしまった。
夏バテで弱っているハンデもあるし、やっぱり空港で大人しくしているべきではないだろうか。
悩んでいる場合ではない。
調べたところ、国際線ターミナルには手荷物預かり所があるようだ。そこで手荷物を預け、空港のバス乗り場に向かった。ここからはiPhoneの地図だけが頼りである。
ダナン空港で買ったスポーツドリンクの残りを持ってバスに乗り、地図を眺める。たしかにフォーの店とバス終点は近い。一方、市内までの道路が渋滞している。まぁ何とかなるだろう。多分。
終点のバスターミナルに着き、iPhoneに指示されるままフォーの店を探した。死んだ気になって大通りを渡るというベトナムならではの難関があったが、意外に簡単にクリアできた。
スポーツドリンクはバスの中で飲みきってしまったが、ホーチミンシティも蒸し暑い。夏バテのまま、フォーフォー言いながらフォーの店に着いた。オッサンが注文を取りに来たので、ビーフのフォーを頼んだ。そしてビール1本。
なんとも美味しい。麺もスープも絶品である。食べながら周囲を見ていると、隣のテーブルにメニューがあった。色々な具材のフォーがある。しかもビールが残っている。どうしようか。
悩んでいる場合ではない。
フォーをおかわりした。今度はチキンにした。わざわざ空港からバスに乗って来たのだ。食うぞ。
蒸し暑いホーチミンシティの路上でフォーを2杯。夏バテで脱水症状ぽいわりには、滝のような汗をかいている。なんとも汗くさいオッサンになってしまったが、ちょっと元気が出てきた。
悩んでいる場合ではない。前に進もう。