去年は正月休みの代休でメキシコに行ったが、決めかねていたのがスリランカだった。
イメージ的に南アジアはややこしい。会社員人生でも、インドやパキスタンあたりの連中は扱いに困ることが多い。スリランカも似たようなものではないだろうか。
インドとスリランカに行ったバックパッカーのブログを読むと、インドに比べるとスリランカはオアシスと書いてあった。本当だろうか。一般的な日本人からすると、大差ないのではないだろうか。
メキシコに行くか、スリランカに行くか悩んでいたが、結局、去年は宝石箱のような夜景とテキーラ蒸留所の誘惑に負け、メキシコのグアナファトに行った。もっとも、テキーラ蒸留所のある国か、ややこしいオッサンがウジャウジャしていそうな国か、である。決めかねて悩んだものの、実は大して悩むまでもない決断だったが。
それでもスリランカは僕の頭から離れなかった。メキシコから帰国後も色々とネットを見ていたところ、紅茶の産地であるヌワラエリヤという街が良さそうだった。やっぱりスリランカに行ってみるべきではないだろうか。
調べたところ、ヌワラエリヤの紅茶シーズンは2月~4月くらいのようだった。それならば正月休みの代休として、1月後半に行けば良いのではないか。夏休みを失敗するとダメージが大きいが、1月の旅行であれば行ってダメでも諦めがつく。
仕事のスケジュール上、毎年、正月は休日出勤になるので、1月中旬に土日+正月代休3日で5日間の休みを捻出できる筈である。早速、スリランカ行きのプランを考えてみた。
金曜深夜に羽田を出る深夜便に乗ると、土曜の早朝にシンガポールかバンコクに着いて飛行機を乗り継ぎ、昼前にはコロンボに着ける。コロンボは大して興味ないので、半日滞在で1泊。日曜に鉄道でヌワラエリヤへ向かい、そこで2泊する。火曜午後にヌワラエリヤを出ると、同日夜にコロンボ着。水曜早朝のフライトでシンガポールへ行き、乗り継ぎ待ちを兼ねてシンガポール市内で友人と会う。夕食後に空港へ戻り、シンガポールを水曜深夜に出るフライトで羽田に戻れば、早朝の羽田から会社に直行して、木曜の朝9時には余裕で会社に着ける。文章にすると、2時間ドラマのネタバレのセリフみたいに、途中で飽きてしまうような長い話ではあるものの、悪名高いコロンボのラッシュアワーも回避できるし、西村京太郎なみに完璧な計画ではないだろうか。
去年11月にJALマイルの無料航空券で中国に行ったが、それでも今年の夏までに有効期限を迎えるマイルがかなり残っていた。調べてみると、シンガポール往復の深夜便に空席があったので、ほぼ思考停止状態で予約してしまった。そして、メキシコ旅行前にブックオフに売ってしまっていた、地球の歩き方のスリランカ編を再び購入した。
・・・と、ここまで実は去年の8月末くらいのストーリーである。その時点では、去年11月の上海どころか、去年の夏休み旅行にも旅立っていない。時間的な感覚を加味して正確な文章を書くと、「今年11月にJALマイルの無料航空券で中国に行く予定だが」であり、「それでも来年の夏までに有効期限を迎えるマイルがかなり残る筈」である。
夏休みの旅行に出発する前なのに、翌年の正月休みの代休の計画で悶絶し、さらに翌年の夏休み前後に有効期限が切れるマイルの心配をしている。8月末の時点で翌年1月に休めるか確定するわけもなく、そもそも年末年始に会社に出社すると決まってもいなかった。
やっぱり僕は人生を誤っているのだろうか。