きゅーばのおもいで

東京からシカゴ、トロントを経由してハバナに向かった。トロント18時発のエア・カナダに乗り、21時半頃にハバナに着いた。この時間のハバナはエールフランス、エアーヨーロッパあたりも到着していて、ちょっとしたラッシュである。

まずは入国審査の行列。あまりにも進まない。ラッシュといっても中型機が数機程度であり、人数的には大したことはない。しかし、どうにも遅い。無為に時が過ぎる。

入国審査を通り過ぎると、手荷物のX線検査を受ける。やや行列。武器弾薬の類を持っては飛行機に乗れないはずであり、いまさら手荷物検査をする意味がわからないが、そういう制度なのだろう。無為に時が過ぎる。

そんなこんなで荷物の引き取りに向かったものの、スーツケースが出てきていない。飛行機が着いてから一時間以上が経過しており、成田ならスカイライナーに乗っていてもいいようなタイミングだが、しかしスーツケースがない。無為に時が過ぎる。

やっとスーツケースが出てくると、つぎは税関かと気が重くなったが、意外に税関はフリーパスだった。

しかし世の中は甘くない。両替所が異様に行列している。キューバ国外での両替はできないので、必然的に全旅行者が一度は空港の両替所を利用することになるが、両替所が2箇所、それぞれ窓口が3つしかない。またまた行列である。無為に時が過ぎる。

しかも、両替はイイから、俺のタクシーに乗らないかという客引き運ちゃんが鬱陶しい。金がないのにタクシー乗れるのかと反論したくなるが、そういうことをいうとカモがネギを背負っていくようなものなので、あっさりとスルー。

やっと両替をすませると、先程まで売るほどいたタクシー運ちゃんは、絶滅危惧種のようにいない。なんとか強引にタクシーを探した。ソ連製のボロ車に乗り込むと、それでもハバナ最速のようなスピードで深夜の街を疾走していった。ホテルに着くと24時を回っており、うまいモヒートを一杯飲むという夢は儚く消え去った。

キューバの旅は出だしから厳しい。