知床半島の魅力は大自然であり、撮影がメインの旅になった。一眼デジカメを持って歩き回り、美しい初秋の風景を残したい。
撮影が旅のメインだと、常に気になるのは天気である。雨は困るが、曇りも微妙だ。快晴とは言わないまでも、要所要所はキッチリ晴れて欲しい。
統計上、9月下旬~10月の網走方面は晴天率が高いようだが、晴天率は統計上の可能性であって、僕が行く日に晴れるという保証ではない。出発の前週から毎日のように週間予報をチェックしていた。曇りが続く予報だったが、大丈夫だろうか。
快晴の羽田から飛行機で女満別 (網走) へ。女満別空港に着いた時には晴れていたのだが、レンタカーの手続きをして車に乗った頃には霧が出はじめ、さらに天気は悪くなっていく。北海道らしい景色を楽しみたかったのだが、早々に諦めてホテルに向かった。
ホテルに着いて天気予報を見ると、夜は雨だが、明け方には晴れるそうである。その夜は数時間おきに天気予報をチェックしていた。
しかし予報は予報であって、本当に晴れるという保証ではない。
翌朝、起きて空を見上げると、雲が多い。天気予報を見ると、午後から晴れるらしい。まずはプレぺの滝を見に行った。それから知床五湖に行って、レクチャーを受けてからトレッキング。人出が少なくて、ゆっくり歩ける。知床の自然を満喫できた。しかし空を見上げては、ため息ばかりである。天気予報を見るたび、晴れ始める時間帯が遅くなっている。
結局、日没前に晴れたが、その頃には町に戻っていた。散歩がてら海岸に夕焼けを見に行った。前回のブログで写真を使った、美しい海辺の日没である。ただし美しい夕日を見るだけなら、それが知床である必要はない。
ホテルに戻って夕食と温泉。この夜も予報が発表される度に天気予報をチェックしていた。どうやら夜中から天気が悪くなるが、明け方には晴れるそうである。
しつこいようだが、晴天率は統計上の可能性であり、予報は予報であって、本当に晴れるという保証ではない。
3日目も晴れ予報だったが、起きると曇りだった。この日はクルーズ船に乗って海から知床半島を見る予定にしていたが、海上は風が強いようで、欠航の連絡が来た。最新の天気予報によると、午後からは晴れるらしい。ふてくされて午前中はホテルで寝ていた。
午後から再び知床五湖へトレッキングに出かけた。この日も空を見上げては、ため息ばかり。前日より多少マシという程度である。
夕方頃に知床五湖を出て、しばらく車を運転していたら、晴れ始めた。再びプレぺの滝トレッキングコースへ。途中で野原を通るのだが、ススキが日没前の斜光に映えていた。前回のブログで写真を使った、美しいススキ野原の日没である。ただし美しいススキを見るだけなら、それが知床である必要はない。
ホテルに戻って夕食と温泉。この夜も予報が発表される度に天気予報をチェックしていた。どうやら夜中から天気が悪くなるが、明け方には晴れるそうである。
くどいようだが、晴天率は統計上の可能性であり、予報は予報であって、本当に晴れるという保証ではない。
最終日の朝、空を見上げると青空が少し見えていた。統計と予報とが、現実と合致しても良い頃合いである。
帰京日だったが、帰りの飛行機までは時間に多少の余裕がある。早目に朝食を済ませてチェックアウトし、知床五湖へトレッキングに行った。上空には雲が残っており、知床連山は雲の中だが、始まりかけの紅葉と青空のコントラストが美しい。これこそ知床らしい初秋の景色である。
今回の旅では天気に悩まされた。知床には3泊したが、毎日、知床五湖のトレッキングに行っていた。それでも完璧とは言えない晴天が数時間だけである。
ちょっと不完全燃焼のまま帰宅。
帰宅後、Macで写真の整理をすると、なかなかスゴい風景だった。たしかに青空は少ないし、紅葉もピークではないが、自然が単純に美しい。
ガイドさんを頼んで、知床半島の奥地までトレッキングに行ったわけではない。それでも、知床五湖のみならず、プレぺの滝も、海岸の夕日も、日暮れのススキ野原も、味わい深い風景である。滞在中は天気予報ばかりに気を取られていたので、うれしい誤算である。
撮影が旅のメインだと、常に気になるのは天気である。それはやむを得ないだろう。それでも度が過ぎれば旅の楽しみを忘れてしまう。今回の旅は、知床へ天気予報を見に行ったような塩梅になってしまっていた。
どうあがいても、僕に天気を変える力はない。ゆえにグジグジと天気について悩むのは時間の無駄であり、精神衛生上も良くない。
無駄な心配をしがちなのが人生ではあるが。