2013/09/10 にゅーよーくのおもいで

ある日、ドクターしんコロからニューヨークに引っ越すと連絡がきた。

僕が彼の債権者であるわけではなく、彼が僕の債権者であるわけでもなく、あまり知らされても大して意味がないのだが。たぶん、社会通念上、連絡してくれたのではないかと思う。

シアトルからニューヨークへのステップアップ。イチローみたいだ。きっとマンハッタンのドアマンつき高級アパートに住むんだろう。そういうアパートをアパートと思うなかれ。

ともあれ、ぼくには社会通念がない。残念ながら。

真に受けて、ぼくはニューヨークに行くことを考え始めた。寒い時期にマンホールから湯気が立つなか、コーヒー片手にロングコートを着て歩く。やはりニューヨークに行くのは晩秋がいい。

一方、夏休みの計画を考えたとき、いくならキューバだと思った。いましかない。いまでしょ。

世界情勢をひもといてみると、カリブ海は冷戦状態。ハバナに行くのは、一昔前の東ベルリンに行くようなものだ。とはいうものの、地理的な視点でみると、ニューヨークとキューバは近い。

うーむ。遠いのに近い。どちらもいましかない。どちらもいまでしょ。

そんなこんなで、とりあえず若干のニューヨーク滞在を決意した。