サンセバスチャンの大半はバルで過ごしたものの、最終日にミシュラン三ツ星レストランに行ってきた。サンセバスチャン付近には三つ星レストランが3軒もあるが、海を見下ろす高台にある店に行った。繊細系で好きなタイプだった。いくらバルのピンチョスが旨いとはいえ、バルで繊細系は難しい。
旅行先を気に入ってしまい、その場で来シーズンの予約をして帰ってきた話をたまに聞くが、僕はそういうタイプじゃないと思っていた。ところが今回はやってしまった。レストランに行く前にホテルで年末年始の予約を入れ、レストランも気に入ったので帰りがけに予約を入れてしまった。
もちろん伏線はあって、これは5月くらいから気になっているのだが、こんどの年末年始の曜日配列は最高である。冬のバスクはどうなんだろうか。年末にスペインでユーロは使えるのか。ぼくは休みを取れるのか?
それはさておき、レストランを絶賛した後で書くのも妙ではあるのだが、バスクでの最高の出会いはバルで出てきたトマトのカツオ包みだった。湯引きしたトマトの中にシーチキンが入っている。少量のソース、少量のマヨネーズ、塩、コショウなど。シンプルだが、絶妙なバランスである。
どうしても最後に食べたいと思い、レストランで膨れた腹を抱え、深夜の旧市街へ最後の見廻りに行った。街を二周したところ、ようやく店内に進入スペースを見つけ、「トマテ・ボニートが食べたいんだけど」というと、キッチン内で一騒動の後に出てきた。直後に看板のメニューが消されたので、最後の一つだったのだ。
あぶないところだった。