知る必要性の原則

Oirase Night Tour

Oirase Snow Walk Tour

Oirase Snow Walk Tour

Wild Grape Tree in Winter

正月休みは香港に行った。乾季だったせいもあり天候は完璧で、飲茶やバーなど極めて楽しめた旅だった。そうは言うものの、一方で冬は寒さを楽しむべきだと思っており、雪国に行きたい。

去年は後生掛温泉のスノーシュートレッキングを回避して、代わりに森吉山へ樹氷を見に行った。それならば今年こそ後生掛に行くべきだが、どこへ行きたいか妻に聞いたところ、奥入瀬渓流に行きたいとの事だった。

人生において知らない方が良いことは多々ある。それ故に敢えて理由は聞かなかったのだが、妻がスノーシュートレッキングに興味がない可能性が高いと思われた。

数年前に奥入瀬へ行った時には、星野リゾートに滞在した。僕自身が仕事でコスト管理をしているせいか、星野リゾート特有の計算されつくした頑張り感が苦手なのだが、それでも岡本太郎さんが創った暖炉を見たかったのだ。

僕は会社の財布にはシビアだが、自分自身の財布はドンブリ勘定である。そんな僕でも、香港に行った直後の星野リゾート宿泊は、コスト管理上の問題が生じると分かる。奥入瀬には何度か行っているので、ある程度の土地勘はある。今回はローカルな温泉旅館に泊まって、現地バスツアーに参加することにした。

前回は特典航空券を利用して三沢空港に飛び、そこからバスを乗り継いで十和田市を経由して奥入瀬へ向かうルートにしたが、無料で飛行機に乗れた以外のメリットは見出せなかった。たしかに航空券が無料なのはキャッシュフロー的には利点だが、バスや飛行機など移動時間が細切れになってしまい、移動だけで疲れてしまった。むしろデメリットの方が多い旅程だったと思う。

コスト管理とは単に支出を減らすだけではなく、いかに効率的な結果を生む支出を行うかである。僕自身の財布はドンブリ勘定なので、損得査定は甘くなりがちだ。今年も特典航空券に空席はあったものの、香港から戻った直後にも関わらず、新幹線利用は許容範囲だと思った。新幹線なら乗車後2〜3時間は寝ていれば良いので、体力に負担のない旅ができる。結果的に効率の良い旅になる筈である。

星野リゾートに泊まれば諸々の手配をワンストップで依頼できるが、今回は自分自身でアクティビティを予約する必要がある。調べたところ、冬景色のライトアップを見る有名なバスツアーの他、色々なアクティビティが設定されていた。

奥入瀬まではローカルバスを乗り継いで行くものと思っていたが、昼間のバスツアーがあって、これを利用すると奥入瀬渓流の冬景色を見た後で温泉旅館に行ける。しかも奥入瀬にもスノーシュートレッキングのツアーがあった。スノーシュートレッキングは2コースあったので、両方とも申し込む事にした。

敢えて妻に聞いていないので、後生掛温泉に行かなかった理由は定かではない。それ故、スノーシュートレッキングの予定を入れても問題はない。と思う。

そもそも僕は事実を知らないのだ。無知は知であり、力である。ここに情報管理の重要性を見出した。

会社とプライベートでは経費管理基準が異なる僕だが、情報管理ではプライベートでも会社と同じく「知る必要性の原則」を採用する事にした。

旅のしおり:奥入瀬

記載の時刻等は訪問時のダイヤです。

1日目

上野 0738 (はやぶさ3) > 七戸十和田 1037

道の駅しちのへ シャモロック親子丼

七戸十和田駅 1230 (ツアーバス) > 奥入瀬渓流温泉 1623

奥入瀬渓流ナイトツアー

宿泊:野の花焼山荘

1日目Tips
・焼山荘ではナイトツアー参加だと、通常は18時以降のところ、17時半の夕食にしてくれる。

2日目

氷瀑散歩スノーシュー

冬の奥入瀬散歩スノーシュー

奥入瀬渓流ナイトツアー

2日目Tips
・さすがに2回も夜景ツアーに参加すれば1回くらいは天気が良いと期待していたのだが、2回とも降雪だった。

3日目

奥入瀬渓流温泉 0857 (ローカルバス) > 十和田市現代美術館 0947

十和田市現代美術館

十和田市現代美術館 1142 (ローカルバス) > 七戸十和田 1220
七戸十和田 1254 (はやぶさ20) > 大宮 1540

旅のしおり:香港 & マカオ

Sunset in Hong Kong

Hong Kong Skyline from Star Ferry

Macau Wet Market

Macau Wet Market

1日目

東京羽田1100 (ANA965) > 深圳 1520
深圳空港 1610頃 (バス) > 尖沙咀 (中港城) 1845頃

宿泊:Intercontinental Grand Stanford Hong Kong

1日目Tips
・深圳空港では入国後に地上交通乗場へ向かい、香港までのバスチケットを購入する。2社あるようだったたが、なんとなくEternal East Bus (永東バス) でチケットを購入し、尖沙咀へ向かった。空港からミニバンでイミグレーションまで運ばれ、徒歩で香港へ出境、そこから先は別のバスに乗って香港市内まで行く。服にシールを貼らされるので、中国語が出来なくても会社スタッフが誘導してくれる。
・今回は正月のピークシーズンだったので、運賃の差額を移動時間単価に換算すると明らかに給料以上であり、深圳経由も許容できると思われる。僕の場合、ちょっと試してみたかったというのもあるけれど。

2日目

上環マカオフェリーターミナル 0730 (TurboJet)> マカオ外港 0830

・飲茶「龍華茶樓」
・Red Market
・聖ポール天主堂跡 大三巴牌坊
英記餅家(史諾比主題店)
・セナド広場

マカオ外港 1400 (TurboJet)> 上環 1500

・Tim Ho Wan
マンダリンオリエンタルホテル Bar Chinnery

2日目Tips
・数年ぶりにマンダリン2階のバーへ行った。柔和な高齢バーテンダーが健在なのが素晴らしい。

3日目

・飲茶「蓮香樓」
・春秧街 (トラムが通る市場)
・マンダリンホテル Bar Chinnery

3日目Tips
・一度は閉店した蓮香樓が場所を変えて復活したと聞いていたので、早起きして行ってみた。相変わらず活気があって楽しい。食後はホテルに戻って昼寝。
・この日の夕食はマンダリンのバーでギネスを片手にフッシュアンドチップス。おそらくアジアで最も値段の高いフィッシュアンドチップスだろう。ギネスは錫製品と思われるマンダリンのビアマグで出てくるのだが、パクらない誘惑に負けそうになった。それに勝ったのはバレそうだからだけなので、僕の道徳感のよるものではない。

4日目

・飲茶「陸羽茶室」
・北河街街市 (市場)

旺角 1200 (バス) > 深圳空港 1430頃
深圳 1725 (ANA966) > 東京羽田 2220

4日目Tips
・永東バスで時刻表を貰っておいたのだが、尖沙咀から深圳空港に向かうバスは13:10が始発だった。時間的に余裕がなさそうだったので、復路は旺角からバスに乗車した。中国入境までは比較的スムーズだが、イミグレーションから空港までのミニバンのスケジュールが決まっているわけでは無い模様。時間と手間を考えると、高速鉄道で広州東駅へ行って、地下鉄かタクシーで広州空港への乗り継ぎの方が良かったかも。
・わざわざ書くまでもないが、もちろん正解は深圳でも広州でもないだろう。Airport Expressに乗れば40分くらいで尖沙咀から香港空港まで行ける。「人生は何事も経験である」というのは間違いないが、経験しなくても良い事を敢えてする必要はない。

僕は僕である

Star Ferry in Tsim Sha Tsui

Star Ferry at Twilight

A Symphony of Lights

Star Ferry Arrival

東アジアの街で言うと、僕が好きなのは香港、高雄、釜山あたりが思い浮かぶ。上海、台北、ソウルよりも上位に来るのは港町だからだろう。この中でも香港が抜きん出ているのは、スターフェリーがあるからである。

ここ数年で香港が本質的に変わっていないと思う程、おめでたくはないつもりである。そんな中でも大して変わっていないように見えるスターフェリーで僕が通う場所も、大して変わっていないように見える。

それは飲茶屋2軒と、マンダリンオリエンタルのバーである。厳密にいえば、飲茶屋の1軒は1回潰れて従業員が別の場所で再建したし、もう1軒は値上げのせいでガラガラらしい。そしてマンダリンオリエンタルは改装してオシャレ化している。それでも飲茶屋もバーも古き良き香港の風情を確かに留めている。

変化の激しい町で、大して変わっていない場所に約15年も行き続けられるのは素晴らしい事だと思う。すべての店が中環にあるので香港島に泊まれば良いのだろうが、スターフェリーに乗る為、わざわざ九龍のホテルに宿泊している。

そこまでして乗船するスターフェリーを中心に旅の構成を考えると、到着時に発覚したホテルの予約ミスが響いた。想定よりもフェリーターミナルまで遠いし、混雑した海沿いの遊歩道を延々と歩くのは面倒くさい。そもそも夕暮れ時はスターフェリー撮影ために外出するので、ホテルから海を見る機会は少ない。

香港の夕景を背景にスターフェリーの撮影をしていたところ、大陸系の美女から話しかけられた。ナンパされているのかと思ったが、そうでは無いらしい。

アプリ経由で翻訳してもらったところ、いくら払えば写真を撮ってくれるかとの事だった。周囲には観光客相手のカメラマンが多く、たぶんボッタクリ価格なので、ダンピングしてくれそうな相手を選んだのだろう。

そういえばメキシコのグアナファトでも、美女から有料で撮影依頼されたのを思い出した。あの時は早朝の丘の上で、カメラマンは誰もいなかったので、僕の言い値だった可能性は高い。

「タダより高い物はない」というが、「タダより安い物はない」のも真実である。タダなら値段交渉しなくていいし、質が悪くて文句を言われる筋合いもないし、そもそも他人の前で財布を出さずに済む。美女は美女でも、その場所はメキシコである。不用意に現金をやりとりするのは避けるべき事態だろう。彼女のiPhoneで数枚撮って、満足してもらった。

そもそもグアナファトでは朝焼けの撮影のために早起きしており、マジックアワーは光の色が変わるスピードが速い。しかも僕は人物撮影が苦手なのだ。オッサンにも美女から放置されていたい時はある。

夕景の今回も同じ状況である。わざわざ断る必要性は感じないが、早々に立ち去ってほしい。iPhoneを預かろうとすると、僕のカメラで撮ってほしいとの事。しかも外套を脱ぎだし、ハンドバッグを預けられた。ストロボすら持っていない僕には荷が重い。撮影後、WeChatでアドレスを交換し、彼女は去っていった。

僕は自分自身の写真を撮られるのが苦手なのでイマイチ分からないが、美女とは言え、そこまでするだろうか。もしかすると大々的なハニートラップかもしれない。しかし深夜に写真を送ったところ、御礼の返信はあったものの、「たまたま」彼女が滞在しているバーに呼び出される事はなかった。

よくよく考えれば、僕はダンピングで香港に来て、その香港でダンピングされたのだ。安い航空券の為に深圳経由で香港へ行くようなオッサンは、ハニートラップに引っかけるような大物ではない。所詮は「タダより安い物はない」に引っかかる程度の小物であり、「タダより高い物はない」と恐れる理由はないだろう。

正月早々、自分自身がチープで人畜無害なオッサンでしかないと自覚させられた。

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