目先を変える / 秋田県

Shrine in Hanawa, Kazuno-city

Entrance to Goshougake Onsen

Entrance to Goshougake Onsen

Sea of Japan Sunset from “Inaho”

春先に母親と温泉に行く事になった。日程を決めたのは黄金崎不老ふ死温泉に行った直後であり、その時に学んだのは、目先を変えると新たな発見があるという事である。

目先を変えるのであれば、どこか行った事のない温泉地を探すべきなのだろう。しかし僕の最大の関心事は、人生を快適に過ごす事である。それ故にバーは決まった4軒をヘビーローテーションで回っているし、その他の飲食店も同じ店に行き続けている。新規の開拓は苦手なのだ。

温泉にも同じ事が言える。何らかの興味がない限り、知らない宿には行かない。結果的に毎年のように行っている後生掛温泉へ行く事にした。例年だと羽田からANAで大館能代空港へ行き、帰りは秋田内陸縦貫鉄道と秋田新幹線で東京に戻ってくるのだが、それでは流石に変化がなさすぎる。目先を変えれば何かしら発見がある筈だ。

根本的な変化は避けつつも、表層だけ変えてみよう。それが「目先を変える」という本質だと思う事にした。

去年の夏に乗った、特急いなほ号の車内から見た日没が良かった事を思い出した。大舘から秋田へ出て、秋田を夕方に出発する特急に乗ることにした。夏とは日没時間が異なるので、また別の風景を楽しめる筈である。もっとも晩冬の日本海側は天気が悪い可能性が高いが、どんよりとした鉛色の日本海を眺めるのも悪くないだろう。

秋田県内で完結していた旅が、山形県を経て新潟まで向かう旅になった。これだけ変われば、十分に目先が変わったとは言えないだろうか。

当日は大舘能代空港に着いてバスに乗り、大舘駅前にある花善の鶏めしを食べに行くか、大館市内の比内地鶏の店に行くか考えた。

残念ながら比内地鶏の店は移転のため、休業していた。前回はGoogle Mapの誤情報で閉店日と思い込んでしまっており、2回連続で行き損なった事になる。一方で花善は開業感謝祭でキャンペーンをしていた。値段は安くはなっているが、回転重視らしく、メニューは限られており、ビールも飲めなかった。

いささか不完全燃焼のまま後生掛温泉に向かった。大舘では冬も終わりかけていたが、山は吹雪だった。寒い場所には冬に行くべきだと思っているので、これはこれで悪くない。

翌朝には天候が回復していた。宿の送迎バスで鹿角花輪駅へ行ったところ、前夜の積雪でJR花輪線が運休していた。なかなか思い通りには行かない旅である。

それでも高速バスで大舘へ行き、さらにJRで秋田駅に向かった。特急いなほ号が秋田駅を出発する時刻頃になると、快晴になった。思い通りに行っていない旅を取り返す時だろう。

秋田駅を出てしばらくすると、列車は海沿いを走り、日本海の美しい夕景が楽しめた。しかも鳥海山は雪解け前で美しく、秋田南部は桜の季節でもあった。ほぼ完璧な車窓を楽しめたが、一つだけ問題があった。肝心の日没の前後時間、いわゆるマジックアワーの大半は酒田市内の内陸部を走っていたのだ。

目先を変えさえすれば、全てが良くなるわけでは無いのかもしれない。

旅のしおり:秋田県

記載の時刻は訪問時のダイヤです。

1日目

東京羽田 0900 (ANA719) > 大館能代 1010
大館能代空港 1025 (バス) > 大館駅 1118

昼食:花善

大舘 1336 (JR花輪線) > 鹿角花輪 1428

宿泊:後生掛温泉

2日目

鹿角花輪 1124 (高速バス) > 高速大館 1212

昼食:昔のきりたんぽや

大舘 1350 (スーパーつがる 2) > 秋田 1512
秋田 1648 (いなほ14) > 新潟 2022
新潟 2031 (とき344) > 大宮 2203

不眠 / 秋田

Akita General Rolling Stock Center

JNR Series ED75 & EF81

JNR Series EF81

JNR Series EF64-1000

不眠は諸悪の根源と言われる。

今年は2月末くらいから不眠が再発してしまった。深夜に電子機器の強い光を浴びるのは入眠に良くないと言われるが、暗闇で横になっていても、イライラして逆効果である。結果的に遅い時間までWeb上をウロウロする事になる。

そうこうしているとJR東日本のサイトで電気機関車の撮影会情報を発見した。以前は大宮工場で蒸気機関車 (SL) の組み立て工程の見学会だったが、今回は秋田工場である。工場見学的なイベントは好きだし、国鉄型の電気機関車も好きだ。しかし秋田まで行く程、こだわりがあるのだろうか。

冷静に諸々の条件を考慮してみた。イベント開催日は予定のない三連休であり、大宮のSL見学会には会社を休んで行った事を考えると、はるかに好条件である。しかし東京から大宮までは僕の日常生活の延長のような距離だが、秋田は明らかに遠い。当然ながら旅費の問題が発生してしまう。どうしたものだろうか。

しばらく考えたところ、秋田には大宮に無いものがあった。空港である。

調べてみたところ、早朝の秋田行きJALに特典航空券の空席があった。更に調べたところ、秋田空港を17時前に出発する羽田便に乗れば、予約が取りにくい都内の蕎麦屋さんの営業時間にも間に合うと判明した。こちらのフライトも特典航空券の予約が可能だった。往復とも特典航空券が取れたので、主な金銭的問題は解決されただろう。

航空券を予約したものの、JR秋田工場から帰路のフライトに間に合うよう秋田空港まで戻るのが難関だった。色々と探しまわったところ、そこそこの値段で空港まで行ってくれる予約制の乗合タクシーを発見した。オンラインでタクシーの予約も取れ、日帰りで秋田まで行って、お気に入りの蕎麦屋さんにも寄れる日程が完成した。全てが夜更けの出来事である。

翌日、蕎麦屋さんへ電話をかけて予約を済ませた。人気店とはいえ、さすがに1か月くらい前なら予約は取れるのだ。そういえば大宮でのSL組み立て見学会の帰りにも同じ蕎麦屋さんに行ったが、僕にとってJR東日本の工場と蕎麦屋さんは最強の組み合わせに違いない。これで充実した一日になること間違いないだろう。

不眠は諸悪の根源ではないのかもしれない。

旅のしおり:秋田

記載の時刻等は訪問時のダイヤです。

羽田 0655 (JAL161) > 秋田 0800

ねぶり流し館
旧・秋田銀行
・JR東日本 秋田総合車両センター

秋田 1645 (JAL166) > 羽田 1800

人間は考える葦である / 青森・北海道

Sea of Japan in Winter Dusk

Henashi Fishery Port

Morning View from JR Gono Line

Afternoon View from Donan Isaribi Railway

2月に台湾で家族旅行のツアーガイドをした。結果的にガイド業務が旅程全体の半分程度だったとしても、自分自身への慰労が必要だと思った。既に台湾へ行く為に会社を休んでいるので、週末の1泊で考える事にした。

日本人の慰労には温泉だろう。2日間だけだと近場で妥協したくなるが、旅とは非日常を求めるものだと思っている。どこか遠くに行きたい。

青森県のJR五能線に黄金崎不老ふ死温泉がある。海辺の露天風呂で有名な宿だが、塩分があって微量な油も浮いている泉質も好きなのだ。冬なら混んでいないので、久々に行ってみる事にした。

JALの特典航空券は需要に応じて必要なマイルが変動するが、一方でマイルさえあれば予約が取りやすい。行きは青森空港から弘前に出て五能線に乗る。翌日は五能線の快速で新青森へ行き、そこから新幹線で函館の寿司屋さんに行こうと思っていた。そして函館空港からの最終便で東京に帰れば良い。今まで何度か行った場所を組み合わせただけであり、特に考える事もないだろう。

台湾では旅行予定を変更し続けていた。その慰労の旅であれば、新鮮味がない程度が良い筈である。

新青森から北海道新幹線に乗ったところ、たまたま新函館北斗まで全駅に止まる列車だった。このまま函館まで行っても面白くないかもしれないと思い始めた。人間は考える葦である。なにかを考える頃合いだろうと考えてしまった。

こうなると僕は止まらない。

木古内駅から函館駅まで「道南いさりび鉄道」に乗る事を思い付いた。新幹線の中で時刻表を調べてみると、ちょうど接続の良い列車があった。その列車が函館に着いてからバスで寿司屋さんへ行くと、予約通りの時刻になる。新幹線料金の一部を無駄にしてしまうが、木古内駅で下車する事にした。決断したのは新幹線が木古内に着く1分前の事である。

道南いさりび鉄道は極めて地味なローカル線だった。いまやJR北海道でも使っていないであろう、国鉄型のディーゼル車両に乗車した。しかも途中駅で行き違った車両が、昔ながらの朱色塗装で更に味わい深い

社名に「いさりび」が入るだけあって、のんびりと道南の海を見ながら旅ができた。列車の出発まで少し時間があったのに、ビールを買っておかなかったのが悔やまれる。

目先を少し変えると、新たな発見があった。慰労だからと言って、惰性に流されてはいけないのだろう。人間は考える葦なのだから。

旅のしおり:不老ふ死温泉

記載の時刻等は訪問時のダイヤです。

1日目

東京羽田 0715 (JAL141) > 青森 0835
青森空港 0900 (弘南バス) > 弘前駅前 0954
弘前 1021 (JR) > 深浦 1244

昼食:セイリング

深浦 1442 (JR) > ウェスパ椿山 1457

宿泊:黄金崎不老ふ死温泉

2日目

ウェスパ椿山 1038 (リゾートしらかみ1) > 新青森 1327
新青森 1359 (はやぶさ17) > 木古内 1449
木古内 1519 (道南いさりび鉄道) > 函館 1622

夕食:木はら

函館 1930 (JAL588) > 羽田 2100

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